主食に白米よりも「玄米」を勧める理由
日本食では一般的に主食は白米ですが、地中海食では全粒粉を用いたパンを食べます。したがって、日本の場合におきかえますと、白米ではなく玄米を食べるのが理想的です。全粒の玄米とまではいかなくとも、胚芽米、7分づき米、5分づき米、雑穀米、雑穀を混ぜた白米、麦を混ぜた白米などを習慣的に食べていくことを考えなければいけないと思われます。
ナッツ類には落花生やゴマなども入りますので日本で摂れるものが含まれます。野菜や魚介類も種類は問わないようです。地中海食では赤ワインもよく知られています。しかし、お酒についても、地中海食ではワインに限られてはいないようです。
したがって、日本食において最も多く飲まれる日本酒などは、地中海食における赤ワインに匹敵しているのかもしれません。一方、フランスではフランス人の喫煙率が高く、肉、バター、チーズなどの飽和脂肪酸を含む食事を沢山食べるのに冠動脈性心臓病の罹患率が少ないという逆説的な疫学的観察があります。
この理由として赤ワインを多く摂取するからであると考えられていて、フレンチパラドックスといわれています。赤ワインに多く含まれるポリフェノールが持つ抗動脈硬化作用や抗酸化作用が血管を保護し、冠動脈疾患になりにくい健康に良い効果を発揮しているのではないかと考えられています。
「和食派」は果物と野菜が不足しがち
日本人の食習慣には地中海食に似ている部分がありますが、地中海食より優れた部分や劣っている部分もあります。日本食では地中海食のように健康に良いといわれている一価不飽和脂肪酸であるオリーブ油を常時使うわけではありません。
しかし、日本食には昔からよく使われている菜種油も一価不飽和脂肪酸なのです。和食は動物性脂質が少なく油脂の大部分を植物性食品でまかなっていますから、この点については地中海食よりも優れているといえるかも知れません。
日本食は赤身肉の少なさと魚の多さではそれぞれ世界一の可能性があります。日本では十分な量の果物野菜を摂取していないとの指摘はありますが、季節ごとに採れる果物や野菜も豊富なため、伝統的にある程度の量の果物野菜は摂取できています。
また、お酒(日本酒)も食事と一緒に摂取する習慣があります。このように考えますと、日本食と地中海食には共通点が多くあります。しかし、日本食がより地中海食に近づくためには次の3つのこと、すなわち、①果物をもっとたっぷりと食べること、②野菜をもっとたっぷり食べること、③精製度の低い穀物を主食にすること、などが挙げられます※1。


