夫婦関係を良好に保つコミュニケーションのコツは何か。心理カウンセラーの五百田達成さんは「晩ごはんのメニューを相談された夫が『なんでもいいよ』と答えて妻が不機嫌になる、というシチュエーションはよくある。相手の真の意味を理解することが大切だ」という――。

※本稿は、五百田達成『言いたいことがちゃんと伝わる 男と女の言い換え図鑑』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

夕食を食べるシニアカップル
写真=iStock.com/byryo
※写真はイメージです

晩ごはんは「家族の問題」

【シチュエーション】晩ごはんのメニューを相談された
× なんでもいいよ
○ どうしようか?

「晩ごはん、何が食べたい?」
「なんでもいいよ」

凝ったメニューを食べたいわけじゃないし、本当になんでもよかったから、「なんでもいいよ」と答えたのに、なぜか妻が不機嫌になる。

「えっ? オレなんかまずいこと言った?」と、たいていの男性は理解できません。

「なんでもいいよ」は一見、おおらかな優しさのように見えます。でも、言われたほうはモヤモヤすることこのうえなし。なぜなら、「丸投げ」されているからです。

夫婦の間で、「料理は妻」「食器洗いは夫」とそれぞれの担当が決まっているケースもあるでしょう。しかし、それはあくまでも建前上の担当です。晩ごはんは二人が食べるもので、おおげさに言えば「家族の課題」です。

これが仕事だったらどうでしょう? 同じプロジェクトメンバーなのに、他部署の作業だから関係ない、任せます、なんてことにはならないはず。いやいや、ビジネスと晩ごはんでは次元が違うだろ? と思うかもしれませんが、同じです。むしろ、より重要なぐらいです。たかが晩ごはんでも、食べなきゃお腹が空くし、空腹になればイライラするし、無気力にもなる。夫婦関係にも支障が出ます。

つまり、二人にとってはとても大事なことを、たいして考えもせず、即座に「なんでもいい」と片付けられると、妻側は一人ぽつんと取り残された気分になる。

ささいなことでも、一緒に考える

「晩ごはん、何が食べたい?」
「う〜ん、どうしようか? 昨日はカレーだったよね〜」
「おとといは豚キムチじゃなかったっけ?」
「そうだった、そうだった。う〜ん、そしたら、今日は和食とか?」
「たしかに和食がいいかもね。あっ、じゃがいもがあったから、肉じゃがにするわ!」

正直、とてもめんどうなやりとりに感じるでしょう。でも、この「一緒に考える姿勢を見せる」ことは、とてもとても大事。というのも、相手は何が食べたいか明確な回答を求めているわけではありません。聞いておきながら、ほぼ献立が決まっていることもしばしば。それでも、「晩ごはんについて一緒に悩み、考えたいのだが、どうかね、君? あるいは君が作ってくれてもいいんだよ?」これが「晩ごはん、何が食べたい?」の真の意味です。

この話の応用として、「○○でいい」問題があります。妻だって、家にあるものでササッと済ませたいときもあります。そんなとき、「パスタでいい?」と尋ねるわけですが、夫側はつい「うん、簡単なものでいいよ」と答えがち。これも、妻のテンションがガタ落ちする言い回しです。

なぜなら「○○でいい」は妥協のように聞こえるから。「えっ? パスタでいいか聞いてきたのに」と反論したくなりますが、違います。たいていの「○○でいい」は「○○がいい」に言いかえられます。「パスタ、いいね!」「わ〜い、パスタだぁ!」と無邪気に喜んだほうが、気分よく作ってもらえるでしょう。

たかが晩ごはん、されど晩ごはん。二人の大事な食事であり、日々のルーティンだからこそ、全力で向き合いましょう。

【まとめ】 「毎日のごはん」こそ、お互い全力で向き合う