「小売業界に欠けていた穴を見事に補完」
こうした勢いを象徴するかのように、トーキョー・セントラルのグランドオープン式典には日米双方から要人が駆けつけた。
在サンフランシスコ日本国領事館からは、大槻耕太郎総領事がマイクの前に立った。サンフランシスコ・クロニクルによると、大槻氏は「日本食の人気の高まりは、日本製品の対米輸出が着実に増加していることにもよく表れています」と触れ、「より多くの人々が日本の食文化を体験する機会を得られることを願っています」と結んだ。
米地方テレビ局のKRON4が伝えた式典では、エメリービル市のスクディープ・カウル市長は、「今日のテープカットは、一店舗の開店以上の意味があります。文化の多様性と経済的な活力へのコミットメントを象徴するものです」と力を込めた。
エメリービル市議会のデイビッド・モーラ議員はマーキュリー・ニュースの取材に、「日本の専門食品に特化した店は、イーストベイでここが唯一です。活気ある小売業界に欠けていた穴を見事に補完するでしょう」と応じている。式典ではPPIH傘下マルカイ・コーポレーションの豊浩一社長による開会挨拶に続き、地元エメリービルの太鼓パフォーマー集団による演奏や日本舞踊が会場を沸かせた。
「食の砂漠」が「日本食の発信地」に
トーキョー・セントラルの賑わいは、グランドオープンの熱狂を過ぎても長く続きそうだ。
マーキュリー・ニュースによると、同チェーンは特別セールやイベントでも知られている。なかでも各店舗で定期的に催されるのが、日本の都道府県ごとに名産品を紹介するポップアップだ。
昨年にはこれに加え、「本マグロの解体ショー」も行われた。職人が巨大なマグロを客の目の前でさばき、切りたての刺身をその場で振る舞う。こうした催しがエメリービルにも巡ってくる日を、地元の住人たちは今から待ち望んでいるようだ。
テック企業がひしめきながらも30年間「食の砂漠」だった街で、日本の食文化の発信地が熱く歓迎されている。エンタメ性に溢れながらふだん使いもできるスーパーとして、地元の人々に末永く愛されることだろう。

