9400円の茨城県産イチゴからたまごサンドまで

行列の先に待っていたのは、サッカー場にも匹敵する約4万平方フィートの広大な「ミニ日本」だ。

青果コーナーには60ドル(約9400円)の茨城産オーガニックイチゴや、80ドル(約1万2600円)のクラウンメロンなど、高級志向のフルーツが並ぶ。鮮魚コーナーでは毎日さばかれる魚が揃い、刺身にもできるほど鮮度が高い。握り寿司10貫セットは18.99ドル(約3000円)と、現地の価格水準を考えれば手頃だ。

SFゲートによると最も賑わったのは惣菜エリアで、エビ天やたこ焼き、辛ねぎうどんが湯気を上げるカウンターに加え、あんこ入りたい焼きや焼き芋まである。日本のコンビニではお馴染みであり、海外のTikTokで羨望の眼差しが注がれるたまごサンドは、5.99ドル(約940円)で手に入る。

店内には手巻き寿司バー「ハンドロールファクトリー」も併設されている。

職人がカウンター越しに一本ずつ巻いては、客が食べ終えるたびに次を差し出す。海苔は有明産で、提供直前に炙るからパリッとした食感が残る。酢飯に使うのは日本産ひとめぼれと、利尻昆布出汁の合わせ酢。マグロはクロマグロとも呼ばれる本マグロのみで、わさびに至ってはマイナス196度の超低温ですりおろし、香りと辛みを逃さない。

青果コーナーの規模はチェーン全店舗のなかで最大だと、米バークレーの地域デジタル紙のバークレーサイドは伝える。ガラス窓の向こうでは「ひとめぼれ」がその場で精米され、紅鮭や和牛を具にした手作りおにぎりも人気を集めている。

店舗は寿司や丼などのテイクアウト以外にも、日本の食材や家庭用品を幅広く取りそろえる。このほか、日本土産として密かに人気を集めているグッズも豊富だ。アメリカのSNSで火がついた資生堂「洗顔専科パーフェクトホイップ」まで棚に並ぶ。

TOKYO CENTRALの店内(出典=City of Emeryvilleのフェイスブック)

先頭の客が求めていたのは「ポカリ」

サンフランシスコからベイブリッジを渡って来たリア・テオドラさんは、日本旅行から帰国したばかりだった。「TikTokでこの店を見つけて、日本が恋しくなって来ちゃいました」と、米テレビ・ラジオ放送局のCBSニュースに語る。

店内で手にしたのは、日本のセブン‐イレブンで出合ったというゼリー菓子だ。「他では見かけたことがなかったんです。ここで見つけられて本当にうれしい」

わざわざベイブリッジを渡って来店した甲斐はあったかと問われると、「それだけの価値はありました。体験してみないとわからないもの。(店内は)まるで別世界です。まさにカルチャーショックですよ」と答えた。

深夜0時半から列の先頭で待ち続けたのは、冒頭でも登場したオークランド在住のライアンさん。昨年の開店発表以来、この日をずっと待っていたという。10時のオープンまで、実に9時間半を辛抱強く列で待ち続けた。まだ冷え込む1月の深夜、スウェットとニット帽を着込んで夜を明かしたという。開店時に振り返ると、後ろには700人以上の列が伸びていた。

ライアンさんのお目当ては、欧米でカルト的な人気を集めるポカリスエットだ。昨夏、日本旅行中に口にしたところ、すっかり虜に。以来、ずっと探し続けていたという。