2月8日に行われた衆議院議員選挙で、与党の自民党は単独で定数465の3分の2の議席を得た一方、野党の立憲民主党と公明党が結成した新党の「中道改革連合」は、約7割の議席を失った。武蔵大学社会学部教授の千田有紀さんは「中道、特に立民の敗北は、若い世代が立民のスタイルにうんざりしていることの表れではないか」という――。
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「大勝の理由はわからない。中道が弱かった」

衆議院選挙の結果が出た。高市早苗首相が公言した目標は、維新の会と合わせて議席の過半数だったが、まさか自民党単独で3分の2を超えるとは。驚きである。

投票行動にはさまざまな理由があろうが、立憲民主党(立民)と公明党が中道改革連合をつくったことで、まったく選挙の先行きが読めなくなったことも大きかっただろう。結成当初は、中道が自民を抜いて一大勢力になるという予想もあったし、その後も、自民は東京で4議席しか取れないという予想も出ていた。

議席数の予想はつねに混とんとしており、自民党の大勝は「中道よりは自民を」と考える有権者の投票行動の結果であろう。もしもこの結果が予想できていれば、バランスを考えて中道に入れたという有権者もいそうではある。テレビ朝日の報道番組「選挙ステーション」によると、開票後には自民党幹部が「大勝の理由はよくわからない。中道が弱かった」と発言したそうである。

開票センターでメディアのインタビューに臨む中道改革連合の野田佳彦共同代表(左)と斉藤鉄夫共同代表。2026年2月8日午後10時11分、東京都内のホテル
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開票センターでメディアのインタビューに臨む中道改革連合の野田佳彦共同代表(左)と斉藤鉄夫共同代表。2026年2月8日午後10時11分、東京都内のホテル

若い世代は立民スタイルが「苦手」

この選挙は、高市首相が解散理由としたように、高市政権の是非を問う選挙であったと同時に、それ以上に中道、とくに立民の是非を問う選挙だったのではないか。

公明党はそれなりにいつもの支持層からの得票があった一方で、立民は大きく支持を減らした。もちろん、原発問題と安全保障という党の根幹にかかわる部分で、公明党に合わせようと方向転換をしたために、かつての支持者が落胆したということもあろう。しかし、だからといって失望したひとたちが左派政党に流れ、ほかの左派政党が勢いを増したということもない。むしろ自民党に入れたひともいる。

ここ数年の流れではあるが、いまなぜ「リベラル」はそこまで(特に若者に)嫌われてしまったのだろうか、という課題に直面せざるを得ないのではないか。若い世代の中道の支持は、ほぼゼロに近い。

立憲民主党が誕生したときのことは、私もよく覚えている。嵐のような大雨のなか、投票所に行った。どうしても投票したかったからである。政策の内容に賛同していた。

しかしその一方で今、大学の教員として10代や20代の若者と常日頃接している身としては、若い世代が立民のスタイルにうんざりしていることも、実によく理解できるのだ。

こういうと「若者は『保守化』している」とよくいわれる。しかし、今の若い世代は、上の世代に比較すれば、実に「リベラル」であり、むしろ若者は「リベラル」であるがゆえに、立民流の「リベラル」スタイルが苦手なのである。

今回は政策の中身ではなく、立民のコミュニケーションスタイルに焦点をあてたい。