「大勝の理由はわからない。中道が弱かった」
衆議院選挙の結果が出た。高市早苗首相が公言した目標は、維新の会と合わせて議席の過半数だったが、まさか自民党単独で3分の2を超えるとは。驚きである。
投票行動にはさまざまな理由があろうが、立憲民主党(立民)と公明党が中道改革連合をつくったことで、まったく選挙の先行きが読めなくなったことも大きかっただろう。結成当初は、中道が自民を抜いて一大勢力になるという予想もあったし、その後も、自民は東京で4議席しか取れないという予想も出ていた。
議席数の予想はつねに混とんとしており、自民党の大勝は「中道よりは自民を」と考える有権者の投票行動の結果であろう。もしもこの結果が予想できていれば、バランスを考えて中道に入れたという有権者もいそうではある。テレビ朝日の報道番組「選挙ステーション」によると、開票後には自民党幹部が「大勝の理由はよくわからない。中道が弱かった」と発言したそうである。
若い世代は立民スタイルが「苦手」
この選挙は、高市首相が解散理由としたように、高市政権の是非を問う選挙であったと同時に、それ以上に中道、とくに立民の是非を問う選挙だったのではないか。
公明党はそれなりにいつもの支持層からの得票があった一方で、立民は大きく支持を減らした。もちろん、原発問題と安全保障という党の根幹にかかわる部分で、公明党に合わせようと方向転換をしたために、かつての支持者が落胆したということもあろう。しかし、だからといって失望したひとたちが左派政党に流れ、ほかの左派政党が勢いを増したということもない。むしろ自民党に入れたひともいる。
ここ数年の流れではあるが、いまなぜ「リベラル」はそこまで(特に若者に)嫌われてしまったのだろうか、という課題に直面せざるを得ないのではないか。若い世代の中道の支持は、ほぼゼロに近い。
立憲民主党が誕生したときのことは、私もよく覚えている。嵐のような大雨のなか、投票所に行った。どうしても投票したかったからである。政策の内容に賛同していた。
しかしその一方で今、大学の教員として10代や20代の若者と常日頃接している身としては、若い世代が立民のスタイルにうんざりしていることも、実によく理解できるのだ。
こういうと「若者は『保守化』している」とよくいわれる。しかし、今の若い世代は、上の世代に比較すれば、実に「リベラル」であり、むしろ若者は「リベラル」であるがゆえに、立民流の「リベラル」スタイルが苦手なのである。
今回は政策の中身ではなく、立民のコミュニケーションスタイルに焦点をあてたい。


