拡散された国会の切り抜き動画
今回落選した岡田克也氏が、まさに国会が始まったばかりの予算委員会で高市首相の存立危機発言を引き出したあと、いや、総理大臣の就任演説でさかんに立民の議員から野次が飛ばされていたときから、SNSには立民批判動画があふれていた。岡田氏が昨年12月21日に、NHKの日曜討論で、高市首相の存立危機発言に対して「国民感情をしっかりコントロールしていかないと」と述べたことも、SNSでは火に油を注いだ。
テレビや新聞などの、いわゆるオールドメディアをほとんどみることもない若い世代には、こうしたSNSは大きな力を持つ。オールドメディアはこうした場合、SNSに上げる動画を作る際の「素材」にすぎない。
高市首相擁護のショート動画が「バズる」ことがわかってから、利益目的の“動画職人”が自民党擁護の動画を多く作る一方で、立民批判の動画もまたつくられた。生成AIの進展で、クオリティの高い動画を容易につくれるようになったという状況もあった。
高市内閣の支持が高いがゆえに、国会答弁の切り抜き動画が多く作られ、国会の発言も批判の対象となる。こうした国会の切り抜き動画では、「我が党の質問は格段にレベルが高い」という安住淳元立民幹事長の発言は、格好の素材となった。
SNSの批判に「ひるまない」という悪手
SNSにおける批判に対して「ひるまずやる」とケンカを吹っ掛けるのは、国民の一部を「敵」認定することでもあり、SNSにおいては悪手である。必要なのはまず「批判を受け止める」という姿勢だろう。
ところが立民のスタイルは、「自分たちが正しい」、もしくは「自分たちの意図が、正しく伝わっていない」と主張していると映ってしまう。その結果「不当な攻撃を受けている」という言い分だけが強調されてしまう。
もちろん、そういう側面もあるだろう。しかしそれでも「正しさ」を主張するまえに、「国民の意見を受け止める」という最初に行うべき基本行動をしっかり行い、それをアピールする必要があったのではないだろうか。
