近ごろ耳にする「2月病」とは
2月も半ばに入りましたが、いまだに寒い日が続いています。この時期は「身体が重だるい」「意欲が湧かない」「集中力が散漫になる」といった心身の不調を訴える方が少なくありません。
近年、メディアやSNSを中心に「2月病」という言葉が飛び交うようになりました。これは医学的な診断名ではありませんが、現代社会において多くの人が直面している「季節変化を起因とする心身のエネルギー低下」を象徴している言葉だと言えます。
「2月病」は、複数の社会的・心理的要因が重なり合って発生する現象です。主な要因としては以下が挙げられます。
まず、年末から年始にかけてのライフイベントによる疲労です。12月の年末仕事や1月の正月行事など、非日常的なイベントに伴う緊張や高揚感が去り、その反動が2月にピークを迎えます。また、お正月明けに高まったやる気の反動が、目に見えて表れやすくなる時期でもあります。
次に、新年度を迎える前に高まっている不安です。これは「環境変化への予兆ストレス」とも言います。3月から4月にかけては、大人なら転勤や異動、学生なら卒業や入学、新生活の準備など、1年で最も環境が激変する季節です。私たちは無意識のうちにこれらの変化を予見し、不安やプレッシャーを先取りして感じています。この心理的負荷が、2月の倦怠感に拍車をかけていると考えられます。
私自身、2月は、新年の賑わいが去ったのに春の訪れもまだ遠い、1年で最も閉塞感の強い時期だと感じます。この閉塞感や停滞感こそが、メンタルを不安定にさせるベースになっているのです。
「2月病」と「冬季うつ」の関係性
この時期は、秋から冬にかけて発症し、春から夏の間に消失する「冬季うつ」も見られます。
冬季うつは「2月病」と異なり、「季節性情動障害(SAD)」という疾患の一種です。典型的な症状として、一般的なうつ病とは逆に「過食」や「過眠」といった、いわば冬眠に近い状態が挙げられます。特に炭水化物への欲求が高まったり、寝ても寝ても眠かったりするのは、冬季うつのよくある症状です。
こうした状態を招く要因として、主に次の3つが考えられます。
1つ目は、セロトニンの働きの低下です。冬の間は日照時間が減少します。これにより、感情の安定に寄与する脳内の神経伝達物質「セロトニン」の働きが弱まり、気分が沈みやすくなります。

