お菓子は体にとっていいのか、悪いのか。製菓衛生師の宮本二美代さんは「原材料表示は使用量が多いものから書かれているため、『砂糖・油脂・添加物』が最初に並んでいるお菓子には注意が必要だ。見慣れないカタカナの添加物表記があるものも避けたほうがいい」という――。

※本稿は、宮本二美代『教養としてのお菓子』(Gakken)の一部を再編集したものです。

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写真=iStock.com/PixelsEffect
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栄養と癒しを補給するためのおやつだが…

おやつは「嗜好品」として軽視されがちですが、実は私たちの心と体に大きな影響を与える重要な存在です。選び方一つで、「エネルギー源」にも「体への負担」にもなり得るからです。

例えば、長時間の会議や育児の合間に食べるおやつが、疲れた脳に栄養と癒しを与えてくれることは、誰しも経験があるのではないでしょうか。しかしその一方で、無意識に口にしている“なんとなくおやつ”が、血糖値スパイクや脂肪の蓄積、さらには集中力低下の原因になることもあります。

ここから先は、体によいおやつと危ないおやつ、それぞれの特徴やメリット・デメリットを整理し、見分け方のポイントを紹介します。

「太りにくいおやつ」の選び方

体によいおやつとして、次のように6つの特徴としてまとめました。

①自然素材を使っている

精製されていない砂糖や塩、オーガニックの素材、保存料・着色料不使用のお菓子は、体に優しく、内臓への負担も少なめです。例えば、果物、ナッツ、ドライフルーツ、はちみつなど自然由来の甘みは、栄養も一緒に摂れるのが魅力。

②血糖値の上昇が緩やか

食物繊維やたんぱく質を含むものは、血糖値の急上昇を抑えて、太りづらい体づくりをサポートします。オートミールクッキーや全粒粉ビスケット、豆乳プリン、ナッツバー、蒸し芋、小豆や寒天を使った和スイーツは、その例です。

③心を癒す「質感」と「香り」

香ばしさや優しい甘さは、脳のリラックスホルモン“セロトニン”の分泌を促します。例としては、紅茶クッキー、ほうじ茶羊羹、シナモンの効いた焼き菓子です。