親に実家の片づけをうまく促すにはどうすればいいか。片づけのプロの下村志保美さんは「親の家の片づけを促すために大切なのは、“一緒に整えていく”というスタンスを持つことだ。まずは、モノの背景にある親の思いや暮らしぶりに寄り添い、感謝の気持ちを伝えることから始めるといい」という――。
※本稿は、下村志保美『がんばらない片づけ』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
親世代にとって、家とは「家族の歴史そのもの」
親に片づけを促すときの「NG」
①いきなり「片づけよう」と切り出す
①いきなり「片づけよう」と切り出す
ある日ふと、SNSで「親の家の片づけが大変だった」という体験談を読んだり、友人が「実家の整理に何カ月もかかって大変だった」と話しているのを聞いたとします。そんな情報から、つい自分の親のことが頭に浮かび、焦りにも似た気持ちが湧いてくるものです。
「うちの親もそろそろ片づけておかないと大変なことになるかも……」、そう思った瞬間、居ても立ってもいられず、帰省したときや電話のついでに「お母さんも、そろそろ家を片づけたほうがいいよ」といきなり言ってしまう。
このような唐突な声かけは、実は親にとってはかなりのプレッシャーになります。なぜなら、親自身は「今の生活に困っていない」と思っていることが多いからです。
もちろんモノが多いことは自覚しているかもしれませんが、「片づけなければいけない」とまでは感じていない場合がほとんど。
そして「なぜ今それを言われるのか」「急にどうしたの?」という不安や戸惑いが先に立ち、防衛反応のように「まだいいでしょ」「私のことは放っておいて」といった言葉が返ってきがちです。
親世代にとって、家とは「家族の歴史そのもの」。それを急に手放せと言われるのは、たとえ善意であっても「否定された」と感じてしまうこともあります。
特に、「子どもに迷惑をかけたくない」と思っている親ほど、自分のペースで準備をしたいという気持ちが強いのです。
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