安全性も栄養価も高く健康長寿の鍵となる
今年3月から最大手のコンビニでフルーツデザートの「アサイーボウル」を3回にわたって数量限定で発売したところ、SNSで若い人の間に拡散されて累計販売個数が260万個を超え、7月には4回目の再販が始まったそうです。ネーミングに使われているアサイーは、南米アマゾンの熱帯雨林で育ったブラジル産の植物で、豊富に含まれるポリフェノールが活性酸素から体を守ってくれ、老化の予防などにつながることが知られています。
そうしたアサイーのような高栄養価で、人の体によい影響をもたらしてくれる食品のことを、アメリカやカナダで食事療法を研究する医師や専門家は、1980年代頃から「スーパーフード」と呼ぶようになりました。すると、オーガニックやローフード、マクロビオティックなど自然食を好む人の間で注目され、世界中で知られるようになってきたのです。2009年には関係者の間でバイブルとなっている『スーパーフード』というデイビッド・ウォルフ氏の著書が出版されています。
そして、ヒット商品となったアサイー入りのデザートは、若い人だけでなく幅広い世代の人たちに、スーパーフードに対して改めて目を向けるきっかけになってくれたようです。そのようななか、スーパーフードは提唱者によって、指す食品が異なることがあります。世界共通の定義は存在していません。そこで混乱を避けるため、14年に設立された「日本スーパーフード協会」は次のように定義しています。
「栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること」
「一般的な食品とサプリメントの中間にくるような存在で、料理の食材としての用途と健康食品としての要素をあわせもつ」
さらに、同協会ではスーパーフードの考え方の一つとして、「『食歴』が長く、何世紀にもわたって人々の健康に寄与してきた食品であること。それにより、人体に及ぼす可能性がある、あらゆる問題が解明されており、その安全性に不安をもって食することがなく信頼がおけるもの」という基準を示しています。食品としての安全性も考慮されてはじめて、スーパーフードとして認められるわけです。
昔からスーパーフードは、食べると健康や長寿をもたらす貴重な食糧として認識されていました。アサイーは15世紀の大航海時代から、アマゾン川流域の先住民に食べられ、健康維持に役立っていたのです。そして、近代になって栄養学が発達し、個々の食品の栄養価が科学的に解明されてきました。また、食品流通が改善され、世界各国産のさまざまなスーパーフードが国境を越えて流通するようになったのです。
なぜサプリメントよりもスーパーフードが優秀か
健康を維持・向上していくため大勢の人が利用しているものに「サプリメント」があります。24年における国内の市場規模は1兆606億円と見られており、一度は口にしたことのある読者の方も少なくないはずです。そのサプリメントとスーパーフードの違いは何なのでしょう。
先ほど日本スーパーフード協会の考え方を紹介しましたが、長い期間にわたって食されてきたことで、人体に影響を及ぼすかもしれない問題について心配が少なく、その安全性に不安を抱かずに口にできるものがスーパーフードです。
一方のサプリメントは、必要とする栄養素をピンポイントで摂れることがメリットです。しかし、カプセルや錠剤として製造する際に添加物等余分なものが入ったり、副作用について解明されていなかったり、不安が残ります。
また、サプリメントは、手軽さゆえの過剰摂取のリスクが懸念されます。本来必要な栄養素でも摂りすぎはよくなく、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」では健康障害のリスクがないとみなされる「耐容上限量」が示されています。
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