知らぬ間に体が蝕まれ、大きな病気で入院……そんな人の食事には共通点がある。予防医学に詳しい循環器の名医に聞いた。

マーガリン入りの菓子パンは「最悪」

循環器を専門とする私のクリニックには、血管や心臓の病気を抱えた患者さんが日々たくさん来られます。これらの病気になってしまう人の食べ方を観察した結果、一番よくないのは、やはり砂糖です。病気を遠ざけるには、まず砂糖をいかに減らすかが大切です。

食事やおやつなどで、つい手に取ってしまいがちなのが菓子パン。朝食を菓子パンだけにしたり、小腹がすいたときに食べたりしている人は多いでしょう。しかし菓子パンは、「小麦の糖質+砂糖」というダブルの糖が血糖値を急上昇させる、危険な食品なのです。

人間の体内では、食事によって血糖値が上がると、それを下げるために膵臓からインスリンが分泌されます。ご存じの方も多いと思いますが、問題なのは「食後血糖値」の上がり方です。

食後、ゆるやかに血糖値が上がり、インスリンの出方も適切ならいいのですが、血糖値が急上昇してインスリンの分泌が過剰になってしまうと、余った糖がどんどん脂肪に変わり、内臓脂肪が増えます。

内臓脂肪で作られるのが、「アディポサイトカイン」という物質。これには悪玉と善玉があり、肥満になると悪玉ばかりが増えてきて、食後に上がった血糖値をなかなか下げることができなくなります。その状態が続くと、糖尿病につながるわけです。

杉岡 充爾 すぎおかクリニック院長
杉岡 充爾(すぎおか・じゅうじ)
​すぎおかクリニック院長。医学博士。日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医。千葉県船橋市立医療センターで救急医療に約20年間携わり、約1万人の心臓治療にあたる。2014年に開業。予防医学の観点から、YouTube「ドクターすぎおかのスーパー健康サポートTV」にて情報発信中。著書・監修に『最高の食べ方がわかる!血管・血流の強化書』(新星出版社)など。

菓子パンと同様に、ドーナツやピザなども危険です。これらのジャンクフードに栄養はほとんどありません。よくない油と、炭水化物のかたまりだと思ってください。これらを食べ続けると、食欲を抑制するためのホルモンが出にくくなり、肥満、そして糖尿病を招くことがわかっています。

甘いものを完全に絶つのは難しいという人も多いのですが、少なくとも菓子パンやドーナツなどは避け、甘くないパンを選ぶようにしましょう。

最悪なのは、マーガリン入りの菓子パン。マーガリンに含まれるトランス脂肪酸は人工的に生産された油で、とりすぎると心臓病のリスクが高まることがわかっています。砂糖とトランス脂肪酸がたっぷり入った菓子パンやドーナツは、非常にリスクが高いと考えてください。

コンビニエンスストアに並ぶお弁当

人工甘味料のとりすぎは糖尿病のリスクを高める

菓子パンと同じく、砂糖が多くて危険なのが清涼飲料水です。

血糖値の高い患者さんに、私はいつも「まずは、甘い飲み物をやめましょう」と言っています。日常的に甘いドリンクを飲んでいる人に、そうアドバイスをすると、しばらくして「“ゼロシュガー”の飲み物に変えました」と報告されることがよくあります。糖類ゼロの飲料は、血糖値を上げないので一見体によさそうですが、長期間飲み続けると別の悪影響が出てきます。