PART1 日本人の8割はたんぱく質不足
「年だから仕方ない」と片づける人の落とし穴
なんとなくダルい。疲れがとれない……。疲労や肥満、風邪、肩こりの原因を、老化と思い込んでいる人はたくさんいます。そして、老化からは誰もが逃れられないから仕方がない、と片付けてしまう人も多くいます。本当に老化は、仕方がないのでしょうか。
そもそも老化の原因は、大きく2つあります。それが、細胞の酸化と糖化。細胞の酸化とは、酸素を取り込む過程で生成される活性酸素が、体内の細胞を傷つけて老化させ、やがては生活習慣病を引き起こすこと。対して糖化とは、余った糖が体内のたんぱく質と結びつき、老化や疲労の原因になるAGEs(終末糖化産物)という物質になることです。
酸化と糖化による細胞の老化――それを食い止めてくれる栄養素が、たんぱく質です。
諸説ありますが、人ひとりの体は、約60兆個の細胞が構成しているといわれています。筋肉や骨、内臓、肌、血液などを形づくる60兆個の細胞は、たんぱく質を材料にして、合成と分解を繰り返し、日々人体の各部位をつくり変えています。その細胞の生まれ変わりがターンオーバーです。
ターンオーバーの周期は、臓器によって異なります。胃や小腸で約3日、大腸の粘膜は約10日、皮膚や肝臓、腎臓は約1カ月、筋肉は約2カ月、血液は約4カ月、骨は約5カ月……。つまり、「半年前の自分は、いまの自分ではない」といっていいかもしれません。ただし、これには、たんぱく質を十分にとっている場合なら、という注釈がつきますが。
たんぱく質不足が続くとターンオーバーが進まずに、細胞が老化し、肌のしわが増えたり、髪の毛が薄くなったりするだけではなく、体の不調や内臓機能の低下が起こります。
裏を返せば、たんぱく質を十分に摂取すれば、老化を防ぎ、若々しい体を保つことができるのです。
たんぱく質を増やしても腸から漏れているかも
それなのに、多くの日本人はたんぱく質摂取量が不足しています。
厚生労働省が行っている国民健康・栄養調査などの結果から、1日あたりのたんぱく質摂取量の平均値の推移を見てみると、戦後から上昇を続け、1995年にピークを迎えました。そのときのたんぱく質摂取量の平均値は約80グラム。2000年ごろまで80グラム前後で推移しましたが、その後急激に減少し、19年には約70グラムとなっています。
たんぱく質の摂取量が約70グラムとは、1950〜60年代、つまり戦後間もないころと同じくらいということですから、衝撃的です。原因としては、①炭水化物・脂質中心の食生活になったこと、②共働き世帯の増加で手軽な食事が好まれるようになったが、たんぱく質を含む食品は調理が手間であること、③高齢者が増えたため、歯の問題や胃もたれで肉を避けがちであることが考えられます。
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