時間を効率的に使うにはどうすればいいか。ビジネスコンサルタントのマーク・ザオ・サンダーズ氏は「やるべきことに時間を集中投資し、アウトプットを加速させるのが『タイムボクシング』という時間術だ。その圧倒的な効果は科学的にも認められ、ビル・ゲイツやイーロン・マスクをはじめ、世界中の経営者やビジネスパーソンが実践している」という――。

※本稿は、マーク・ザオ・サンダーズ著、池村千秋訳『世界のエリートが実践している超生産的時間術 「タイムボクシング」で時間あたりの成果を倍増させる』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。

時計
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時間の使い方を、毎時間ごとに最適化する

タイムボクシングは、ほかの似たような呼び名をもつタイムマネジメントの方法論と混同されることが多い。タイムブロッキング、スケジューリング、デイリー・プランニング、シングル・タスキング、カレンダー・マネジメント、タイムテーブリングといった方法論としっかり区別されていないケースがしばしばある。

しかし、タイムボクシングをテーマにする内容である以上、定義がまちまちだったり、揺れ動いていたり、ほかの方法論との違いが不明確だったりすることをよしとするわけにはいかない。このように定義が併存している状況は好ましくないし、これらのひとつひとつの定義も有益なものとは言えない。本記事では、タイムボクシングを以下のような方法論および思考様式と定義したい。

・1日の活動が始まって集中を妨げられる前に、その日にすべきことを決める。
・ひとつひとつの課題に取り組む時間をスケジュール表に指定する。
・その課題をいつ始めて、いつ終わりにするかも明記する。
・その際、ひとつの時間帯にはひとつの活動だけをおこなうものとする。
・そして、個々の課題では、完璧を目指すのではなく、許容できるレベルに到達することを目指す

この定義には、タイムボクシングのとくに重要な要素が含まれている。意図すること、集中すること、達成すること、秩序を生み出すこと、完結させること、タイムボックスを作成することである。

また、この定義では、タイムボックスの設定は、それに適した条件が整っているときに限っておこなうべきだという重要な考え方も強調されている。