仕事の生産性を高める方法はあるのか。ビジネスコンサルタントのマーク・ザオ・サンダーズ氏は「緊急性・重要度によって順位づけしたリストを作成すれば、どのタスクから進めるか迷うことがない。結果、ひとつの課題だけに集中することができる」という――。

※本稿は、マーク・ザオ・サンダーズ著、池村千秋訳『世界のエリートが実践している超生産的時間術 「タイムボクシング」で時間あたりの成果を倍増させる』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。

男の手のメモ帳とコーヒー
写真=iStock.com/Daniel Tadevosyan
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ありきたりな「ToDoリスト」を最適化せよ

これまで途方もない数の人たちが「やるべきことリスト」を活用してきたことを考えれば当然のことだが、「やるべきことリスト」に関する最大公約数的な考え方と定番の活用法は、取り立てて目新しいものではない。

私はそうした方法論を説いた数多くの文章を土台に、タイムボクシングのいくつかの要素を念頭に置いて、誰もが「やるべきことリスト」をもっと上手に作成できるように手助けをしたいと思っている。この種のリストは、見落とされがちだが、非常に重要なものだからだ。

2、3時間で終わるものをリストアップする

課題をマネジメント可能な単位に分割する。どれくらいのサイズの課題がマネジメント可能かは人それぞれだろうが、大方の見方によれば、課題は最大でも半日以内で片がつくものにすべきだ。できれば、2、3時間以内で終わることが好ましい。

一方、なかにはごく短時間で終わる課題もある。たとえば、進捗確認の電子メールを送信したり、帰宅途中にミルクを買ったりといったものがそうだ。

いずれにせよ、「やるべきことリスト」を作成した次の段階、つまりタイムボックスを設定する段階で、課題をさらに細かく分割したり、逆に複数の課題をひとつにまとめたりすることもできる。いま、この段階で課題の細分化をすべて完了させる必要はない。

「やるべきことリスト」には、課題の内容をある程度詳しく記そう。あとで再びリストを検討する際に、それがどのような課題かを思い出せるくらいの詳しさが必要だ。

たとえば、「瞑想法についてリサーチする」であれば有効な記載と言えるが、単に「リサーチする」だけでは、数時間後や数日後にはあまり役に立たないかもしれない。もっと詳しい情報――推定の所要時間、課題の重要性、緊急性、依存関係、協力者、締め切り、究極の目的、カテゴリーなど――があれば役には立つが、不可欠とまでは言えない。