仕事においても人生においても、自分が指揮官であり、お金と時間をコントロールできている。何より、お金そのものではなく、仕事を追いかけている。それが1桁上の額を稼ぐ人たちの特徴。彼らのところに、お金が集まるのは、自然の理法があるからという。安岡正篤、松下幸之助、稲盛和夫らにも共通する法則を、8つの項目に集約した。いずれもが、ビジネスパーソンが今日から胸に留め、実践できる考え方と習慣だ。

稼ぐ人になるための考え方について、8つの黄金法則という切り口から述べた(http://president.jp/articles/-/9679)。では、実際にビジネスで成功している人たちに、これらの法則を当てはめるとどうなるのか。プレジデント編集部からの依頼で、シンガポールで活躍する30代、40代の経営者5人の事例を検証してみた。

まず感じたのは、図抜けて成功している人たちは、持っているエネルギーも大きいということだ。いまの日本と違い、経済が成長しているところというのは、市場にもエネルギーがあふれている。彼らの場合、自分たちの持つエネルギーとシンガポールという国の持つエネルギーがちょうど合ったのだろう。

人間だけでなく場にもまた、場の持つエネルギーというのがある。私たちは自分で場所を選んでいると思いがちだが、じつは場も人を選ぶのだ。

彼らが天職と呼べる仕事や、天命といえる役割に出合っているのも印象的だ。人生のある段階で、どうすればより自分を生かせるかに気づく人たちというのがいる。目の前の仕事と顧客を大事にして頑張ってきた結果、いまの仕事と顧客を捨てることで、より社会に貢献できるのではないかということを知るのだ。

そのようにして生かされる道が見えた人たちには、それまでの生活を捨てるという意識はない。ただ、自然にその方向へ進むのだと思う。

(構成=村上 敬)
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