大きく儲けるには「システム」が必要

“金は天下の回り物”とは誰もが知る格言だ。しかし実際は、ある所にはあり、ない所にはない。その“ない所”にいる我々にとって、お金がお金を呼ぶなどという夢のような状況がありえるのか?――そんな“そもそも論”はひとまず置いて、お金の“ある所”にいる方々にお話を伺ってみた。

東京の新宿・歌舞伎町の“不動産”王ポーウェン・リー氏(59歳)は、「1億円稼ぐならいつでも可能だ」と事もなげに言い切る。

「年収3000万円を目標にしても1500万円で終わるが、同じ体力・知力で10億円を目指せば2億円、3億円はいく」

意外や、過去に年間の給与として最も多く手にした額は2400万円。

「5年間貰ったけど、馬鹿らしい。半分は税金で、そこからさらに住宅ローンや食費・学費なんかを支払う。これでは金持ちにはなれない」

だから、今は給与なんて500万円あれば十分だ、というが、枯れてしまったわけではまったくない。

「創業後は体で稼がなきゃならないけど、ある程度まで財を成したら実務はパートナーに任せ、その先はアイデア勝負。頭の中は生涯現役だけど、体を拘束されないようにしているから、今は楽ですよ(笑)。加えて、撤退や転換も含めて時代をどう先取りするか。大切なのはこの二点です」

リー氏は、大きく儲けるにはシステムや仕組みが必要だと説く。システムとは商品の流通ルートだけでなく、弁護士・公認会計士らプロ人脈も含めた仕組みのこと。システムがしっかりしていて、売るアイデアがあれば、事業の50%は成功だという。

「そこに商品をのせる。今は時代の流れが速いから、商品の後からシステムを考えていては、商品が古くなってしまう。先にシステムをつくる。そこに法律が絡み、そして意思と使命がある。そのベースの上に商品をのせると、バーン! と稼働するんです」