仕事漬けの生活から解放されたら一度は自分の船や別荘を持ちたい――。そんな男の夢は一体どのくらいのお金で買えるのか。
老後に時間の余裕ができたら、自分のヨットで大海原を思い切り疾走する。これは男の夢の1つではないだろうか。
とはいえ、いざ「購入しようか」と考えたとき、どうしても気になるのが、その値段である。そこでヤマハ発動機の事業広報グループでマリン事業を担当する木下隆介主査に尋ねると、「一番人気のあるのは全長30フィート(8.99メートル)のセイリングクルーザー『YAMAHA30S』で、価格は1406万2860円です」という。
高嶺の花になってしまう気がするが、木下主査は「ボートを保有する目的の約6割は釣りです」という。釣りに最適なフィッシングボートの「SR-XF70」だと価格は244万円で、手が出しやすくなる。ちなみに同社のボートで最も高価なものは、ベッドルーム、トイレなどを完備したプレミアム・サロンクルーザー「EXULT45CONVERTIBLE」の1億3619万5500円だ。
もちろん、これら船外機付きのヨットやボートを操船するのには小型船舶操縦士の免許が必要になる。2級の実技試験免除コースのスクールだと総額9万8300円で受講が可能だ。意外と高額なのはマリーナの係留費。30フィート級のヨットを横浜近辺のマリーナに係留するのには、初年度で約230万円、その後は毎年約99万円かかる。
同じく大海原に豪華客船で繰り出す世界一周クルーズは、「老後にやってみたいことランキング」で常に上位に食い込む憧れのイベントだ。そんな人気の高さを証明するかのように、「飛鳥II」の2013年の世界一周クルーズは11年11月4日の発売開始と同時に申し込みが殺到した。
日本を出た後、シンガポール、ケープタウンを経由し、地中海や北米東海岸を巡る。そして、パナマ運河を抜けてからホノルルに寄港し、日本に戻る105日間のクルーズだが、一番高いグレードのSロイヤルスイートの通常旅行代金は2550万円。早期申し込みの割引を受けても2300万円かかる。