しかし、このクルーズを取り扱っているJTBロイヤルロード銀座のクルーズデスクで日本船支配人を務める三宅明人さんは「4部屋しかないこともあってすぐに埋まってしまい、抽選で決めさせていただくことになりました」という。なかには435万円のクラスもあり、1日あたりの旅行費用は4万円強。考えようによっては、リーズナブルな旅行といえる。
また、同店では航空機の手配をビジネスクラス以上とし、現地では専属のベテランガイドと専用車を付ける究極のオーダーメード旅行「ロイヤルロード」も扱っている。大川智弘総支配人は「利用されるお客様の約2割はリタイアした記念にご夫婦でという方々です。欧州の人気が高く、10~12日間の日程でお1人様200万円以上の予算を組まれることが多いようです」と話す。
そして、男女を問わず中高年の人たちに人気の高いアウトドア系のアクティビティの1つが登山。彼ら中高年のアルピニストの夢は何かというと、憧れのヒマラヤを自分の目で見たりする海外の登山ツアーなのだ。
この分野の草分けであるアルパインツアーサービスの黒川惠社長は「標高3000~4000メートルの山々をトレッキングしながらエベレストを展望するツアーが人気です。70代の方の参加もあります」という。
たとえば「エベレスト展望トレッキングとシェルパの里9日間」だと、ツアー料金は最も安いプランで29万8000円。経験豊富なツアーリーダーに加えて、荷物を運んでくれるポーター、そしてトレッキングの途中で料理をつくってくれる専属のコックが同行し、それらの費用も含まれている。
一方、夫婦で温泉巡りなどを楽しむ人たちの間で静かなブームになっているのがキャンピングカーだ。大手のキャンピングカーメーカーであるロータスの相原和人社長は「ここ5年で中高年のユーザーがぐっと増え、全体の4割を占めるようになりました」という。
気になる値段だが、マツダの「ボンゴトラック」をベースにした「MAMBOW」で382万2000円から。ちょっとした高級自動車並みだが、1泊2万円相当の旅館に夫婦2人で泊まることを考えれば、利用頻度によっては早く元が取れそうだ。