リーダーの高齢化が日本社会に及ぼす影響

日本社会には「老害脳」を生み出しやすい素地があるのではないかと考えられます。それを何よりも如実に表しているのは、各界の指導者やトップ層に高齢者が多いこと、さらに、彼らが仮に「老害」的な振る舞いを見せても、周囲に抵抗する人があまり見られないことです。

何も、高齢になったら無条件に引退せよ、などと言いたいのではありません。高齢化社会なのですから、高齢者の意見を代表する政治家が存在することは大切な要素でもあります。

だからといって、「老害脳」化した人が、高齢であることを味方につけて、そのままリーダーの地位に居続け、その上「老害」的な振る舞いによってライバルを退け、自分の考えを押し通そうとしているのなら、どうでしょうか?

この問題の核は、「老害」を受ける側が総体としてそうしたリーダーを排除できず、新陳代謝も世代交代も進まないことにあります。

批判されると逆切れする政治家たち

高齢者の後に続く人々もまた「老害脳」化され、日本社会の活性化は、おのずと政治の世界で起こりにくいわけです。

きっと何人か、具体的な顔が思い浮かぶのではないでしょうか。派閥間やメンツの争い、権力闘争には長けているけれど、解決策を提案したり、リーダーシップを発揮したり、人々のモチベーションを引き出したりはしない人たち……その典型例は、普段目立った動きを見せない大物政治家です。

そして、何かの矢面に立ちマスコミから質問されると、すぐに怒り、議論をさえぎろうとさえし始めます。さらにいえば、彼らは聞かれている質問の内容をしっかり理解して答えているのか、判断や論理的思考力が機能しているのか、不安になるときがあります。端的に、挙動や反応が鈍く見えることさえあります。

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80代にもなれば、当然脳の老化によってそうしたケースは増えてきます。しかし国民の代表として、選良として権力を持とうとするのであれば、少なくとも自分の脳の老化と戦い、打ち勝った上で重責を担ってほしいと思ってしまいます。