年齢を重ねると感情がコントロールできず、怒リやすくなる人が一定数いる。こうした“老害”にならないためにはどうすればいいのか。社員教育コンサルタントの朝倉千恵子さんは「年齢に関係なく学び続けることが重要になる。学ぶことをやめてしまうと、脳がどんどん老化していき、幼い子どものようにワガママになってしまう」という――。
指をさすビジネスマン
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すぐキレる「老害化」は他人事ではない

「ベビーカーが邪魔だ!」「レジが遅い!」

街中で理不尽に怒り散らす高齢者の姿をあなたも見たことがあるのではないでしょうか。いわゆる“老害”。SNSでは職場、公共スペース、飲食店などさまざまな場所での老害エピソードが毎日のように炎上しています。

「老害なんて一部の人で、自分には関係のないこと」だと思っていませんか? そんなことはありません。むしろよほど意識をしない限りほぼ全ての人が老害化すると言っても過言ではないかもしれません。もちろん、私も含めてです。

老害化し周囲からは疎んぜられ、いつも不満をいっぱい抱えながら過ごすのか。周囲からも愛され自らも充実した人生の後半戦を送れるのか。ターニングポイントはずばり、50代です。

優秀だった人が悪い意味で変わってしまう

先に結論からお伝えすると、老害化を防ぐためには「学び」しかないと私は考えています。

20歳だろうが80歳だろうが、学ぶことをやめてしまった者は老人である。
学び続ける者は、みな若い。

これは自動車王として名高い、ヘンリー・フォード氏の言葉です。この言葉が全てを表していると言ってもいいかもしれません。学びを止めた瞬間に、私たちの成長は止まり、あとは衰退するのみです。

私はこれまでに20万人以上のビジネスパーソンと出会ってきました。その中で若いころにものすごく優秀だった人、活躍していた人が年を重ねてから悪い意味で変わってしまったケースもたくさん見てきました。過去の栄光に酔いしれ、自分の成功体験を上書きできず、何度も同じ話をして、他人の意見には耳を貸さない。そんな人があなたの周りにもいませんか?

学ぶことはどの世代にとっても大事なことですが、私があえて50代がターニングポイントだとお伝えしている理由は2つあります。