日本企業が成長を遂げるには何が必要か。イギリス在住で著述家の谷本真由美さんは「ビジネスの現場でミッションを達成するには、『特殊部隊の超精鋭による超短期間の破壊工作』といったプロフェッショナルの仕事が求められる。しかし、日本企業は『新卒一括採用』『終身雇用制』により全く違う戦い方をしている。これでは秀吉のように優秀な人材が現れてもさっさと足抜けして浪人になり、外国に行ってしまう」という――。

※本稿は、谷本真由美『激安ニッポン』(マガジンハウス)の一部を再編集したものです。

空港で荷物を持って歩く匿名のビジネスマン
写真=iStock.com/Tijana Simic
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超少数精鋭による超短期決戦

仕事において高い付加価値をつけられるようなスキルを持つ人々が求めるのは安定性やステータスではなく、何か新しいことをやってみたい、よりよい製品やサービスをつくりたいといった情熱です。

つまり、仕事というのは、ただお金を稼ぐだけではなく、自分自身の興味の追求だと捉えているわけです。自分の興味がある方向に徹底的に進むことで、結果として、面白い製品が生まれてくるのです。

そして、興味がなくなったり面白いと感じられなくなったりすれば、また別のところに移動したり、まったく違う人と新たなチームをつくり上げるわけです。

これを別の例でたとえると、特殊部隊の超精鋭による超短期間の破壊工作です。目的を達成したら、解散したり別のところに行ったりして、別のミッションに従事するわけです。

また、これを戦国時代にたとえると、敵の城をどうしても落としたい場合に力のある侍を調達してきて短期決戦で戦いに挑むようなものです。

城に立てこもっている側からすると、戦いのプロが短期間で一気に攻め込んでくるわけですから勝てるわけありません。そして、侍たちはまた別のところで異なる武将に雇われて、次の戦に挑んでいくというわけです。