海外でも通用する力は、どうすれば身につけられるか。イギリス在住で著述家の谷本真由美さんは「日本人の学んでいる多くの資格は海外の企業ではほとんど重視されず、小学校高学年や中学生の子は他の先進国の5歳児レベルの英語を学んでいたりする。今後、業界や市場の最新情報を得るには原書や原文を読める英語力は必須だ」という――。

※本稿は、谷本真由美『激安ニッポン』(マガジンハウス)の一部を再編集したものです。

英語教育の概念
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超高学歴、低賃金…労働人口は3つの階層に分かれる

ここまで日本がいかに安い国なのかを見てきましたが、私は日本と日本人はこれからみんな不幸になると言いたいわけではありません。

きちんと日本の現状を見つめ、今のうちから正しい行動をすれば、幸せをつかむことはできます。ここでは、「貧乏な国」でどうやって生きていくべきかを述べていきたいと思います。

日本は労働人口が減っていき、今後も経済格差が拡大していく可能性が高くなります。その一方で海外には人口がどんどん増加している国もありますから、海外向けにものやサービスを提供し、お金を稼ぐというビジネスモデルが盛んになっていくでしょう。

さらに、ロシアの戦争で以前ほどではなくなったかもしれませんが、グローバル化は今後も進んでいく見込みです。そうすると、さまざまな国をまたがって行われていく仕事は今後も増えていくでしょう。

そこで考えられるのは国内の労働人口が3つの階層に分かれていくという予測です。

それぞれの階層と、そこに属する人たちの特徴をまとめます。

第1階層:海外や多国籍化するプロジェクトを担当する層

・超高学歴で留学などの海外体験が豊富
・英語をはじめとする外国語を流暢に使うことができる
・海外を含めた労働市場で評価されやすい何らかの付加価値を持っている

第2階層:日本国内で付加価値が高い知識やスキルを提供する層

・国内で重宝される熟練技能や知識を持っている
・自営業や経営者
・地主
・医師や士業などの資格系職業
・国内で稼ぐので外国語は基本的に必要ない

第3階層:日本国内でお金を稼ぐ低賃金の層

・付加価値の高いスキルがないために低賃金
・ブラックな職場で働くサラリーマン、非正規やパート、日雇い

第1階層の稼ぐ機会は今後もどんどん広がっていきます。

発展途上国は現在もどんどん人口が増えていますし、多国籍な仕事やプロジェクトはどんどん増えていくので、この層の人たちは世界中から引っ張りだこなのです。

しかも、先進国はどこも高齢化していくところが多いので、スキルを持った若手の人の活躍する機会は増えていきます。

その場合に共通語になるのは「英語」です。