ITパスポート、TOEICの点数は役に立たない
また今後身につけるべき技能や知識というのも、日本国内だけで評価されるものではなく、海外の先進国でもある程度評価されるものでなければなりません。
これが多くの日本人に欠けている視点です。
日本人はスキルを身につけるといっても、国内でしか役に立たない資格の話しかしません。
たとえば、IT系の資格だと、ITパスポートなどが人気ですが、この資格は外資系の企業にはほとんどプラスに働きません。
基本的に、日本社会は海外から見てかなり特殊性が高いと考えられているので、日本でしか取れない資格というのは、海外での仕事には役に立たないと捉えられているのです。また、英語の資格であってもTOEICの点数なども海外では重視されません。
これは学歴に関しても同様で、相当教育熱心な親でも日本国内の大学しか見ていないのです。あの大学の偏差値はいくつだとか、日本国内でしか通用しないことばかり話しています。
しかし今やそんな先進国ははっきりと日本だけです。
他の先進国の人々はまず国境を越えて稼ぐことを前提に話をしているので、資格や学歴も他の国でも通用することを前提にしています。
日本国内で評価される資格や教育を受けているだけでは、たとえば外資の会社に就職したり、多国籍なメンバーを集めるプロジェクトなどに参加することが難しくなります。それ以前に、海外で働こうとしても、世界で評価される資格や学歴がなければ採用されません。
他の先進国の場合は子どもに合う学校があれば、国外の学校に通わせることがめずらしくありません。大学も自分が学びたい分野で輝かしい業績を上げている研究室や研究者を探し、それが国外の大学でも躊躇なく進学するのが当たり前です。
つまり、国内の偏差値だけで話をしているような日本というのが非常に特殊なわけです。
先進国の5歳児レベルの英語を学ぶ日本人の中学生
しかし、今後海外を相手に稼いでいくことを考えたら、日本国内だけの視点で教育を考えていては、結局日本でしか稼げない人ができあがります。
さらに習い事に関しても日本ではいまだに親はバブルの頃の感覚で子供の習い事を選んでいる人だらけです。
みんながやっているからといって、特に付加価値がつかないような習い事をやったり、思考力が養えないようなことをやったりしています。
しかも英語に関しても他の先進国の上の層のレベルを知らないので、小学校高学年や中学生の子が他の先進国の5歳児レベルのものを学んでいたりするのです。
無駄な投資をしないためにはまず他の国の実態を知り、食べて行くのに必要な技能や考え方が身につきそうな課外活動は一体何なのかということをよく考えるべきでしょう。
ショッピングモールに入っているようなお遊び半分の英語教室にお金を払うことは本当に意味があるのかどうか立ち止まって考えてみましょう。