失敗することを避け「何もしない」状態

このように、日本の組織は超優秀な武将や浪人を高待遇で雇うという柔軟な仕組みになっていません。なぜかというと、上にいる大名やその家臣が無能だからです。

無能でありながら権力を持っている人たちは自分の現状に満足しているので、現在の体制を維持することに心血を注ぎます。

そういった組織では失敗をすることが極端に避けられるので、「何もしない」ようになります。

これが日本企業で無能な高齢の社員が居座っている理由です。

この状況を打破するためには、多くの武士が藩から足抜けをするほかありません。そして優秀な武将や浪人たちは自分たちで別の藩を立ち上げたり海を越えて海外に行ってしまい外から圧力をかけるほかないのです。

北米や欧州では会社というのは武将や浪人が集まっている集団なので、指導する人間が無能な将軍の場合はみなで逃げ出したり、謀反を起こしたりします。なので、組織のトップ層が割と短期間で入れ替わるのです。

そして、有能な人間ほど高い報酬を得る体系になっています。ビジネスとは命をかけた戦いなので、そうなっていなければ不公平だと感じる人が多くなり、組織としては成り立ちません。

つまり、日本企業は全世界が戦国時代の状態であるのにもかかわらず、鎖国されているふりをして、いまだに孤立した中でなんとか商売を回しているのです。しかも年寄りはどんどん増え、子は生まれず、戦える人がどんどん減っていくという危機状況です。

そして、子どもには戦国の世の厳しさを教えず、毎日毎日能や生花、詩歌の稽古など、役に立たないことを教えている。要するにゆとり教育です。実際に戦場で戦う人々にそんな教育は必要ありません。

彼らに必要なのは敵を叩きのめす腕力と武力であり、重や弓矢を使いこなす知識です。しかし、今の日本は海外からすでに攻め込まれていることにも気づかず、のほほんと現状維持を続けているわけです。

「女性」に働いてほしくない政府

しかも、不思議なことに、日本政府は「働き手が不足している」と言っていますが、実は働きたくても働けない人たちが日本にはたくさんいるのです。それは「女性」たちです。

日本では、子育て世代の20歳代後半から30歳代の就業率が他国と比べて低い傾向があります。そういった女性たちは、教育レベルが高く、やる気もありますから、どんどん働いてもらうべきなのですが、職場が女性にも働いてもらえる環境を整えないのでどうしようもありません。

魅力的な実業家は、タブレット PC を使います。
写真=iStock.com/metamorworks
※写真はイメージです

そこにこそ日本政府が手を入れるべきなのですが、なぜか放置されています。

これも戦国時代にたとえればもっとよくわかります。

戦場に出て行かなければならないのは年寄りと指示待ちの農民だらけです。しかし敵は大砲を持ち、厳しい訓練を積んだ軍勢でありなんとかして国土を守るために戦わなければなりません。

体力があってやる気もある女性たちはたくさんいるのです。この人々をなんとかして活用する方法を日本政府も日本の会社も考えなければならないのです。

しかし上に居座っている人々は、現状維持で失敗を恐れる人々で、外様である女性たちから攻撃されることが怖くてしょうがないのです。

こんな人々はさっさと見限って女性たちややる気のある武将や浪人たちは自分たちの組織をつくってどんどん出て行ってしまったほうがよいでしょう。