YouTubeが選挙の「主戦場」になる未来
実際、都知事選後に行われたFNN世論調査では、インターネットを通じた候補者の選挙運動を「大いに参考にする」が13.9%、「ある程度参考にする」が46.4%と、約6割に上った。一方、「あまり参考にしない」は20.7%、「全く参考にしない」18.1%だったという。
今回「台風の目」となった石丸伸二氏は、公式YouTubeで公約の説明や街頭演説の様子を積極的にアップし、再生回数では知名度の高い小池氏や蓮舫氏を大きく上回った。165万票を獲得し、2位に食い込めたのはこうしたネット選挙の成功が大きいだろう。
テレビの選挙報道がこのまま委縮し、特定の候補者に集中していくのであれば、候補者たちが自ら発信できるYouTubeやSNSを活用しようと思うのは当然だ。今後の選挙では、ネットが「主戦場」になっていく可能性がある。
テレビかネットか、境目は団塊ジュニア世代
ここで、人口問題研究所が作成した人口ピラミッドを見てもらいたい。まずは2015年の人口ピラミッドだ。同研究所は5年ごとのピラミッドを提供している。2016年の都知事選に近い年として選んだ。
赤い線は私が引いたもので、団塊ジュニア(1971~74年生まれ)の最年少の人々がだいたい40歳になるので、上下を分ける意味だ。
団塊ジュニアを上下を分ける境目にしたのは、その上はマスメディア世代、下はネット世代と私が捉えているからだ。厳密な境目とは言えないが、10年前に30代までの人がネット世代だったと言うのは間違いではないだろう。
次に2025年のピラミッドだ。
今度は線を50歳に引いた。団塊ジュニアも50代になったのだ。そして10年前のネット世代の上の方はもう40代だ。これは私の体感に近く、50代の人とは昔のテレビの話題を共有できるが、40代の人だとさっぱりわからない顔をされる。50歳を境に、文化が違うように思える。