「ネット世代」がどんどん比率を高めていく
線を引いたピラミッドをあらためて見て、おや? と感じた。私は「マスメディアを支えてきたのは団塊の世代(1947~49年生まれ)だ」とよく論じている。この2つを見比べると、2015年は最も多いのが団塊の世代だが、2025年では団塊の世代の山が縮み、団塊ジュニアが最大勢力になっている。団塊世代は数が減って、もうマスメディアを支えられなくなり、日本社会で存在感を急速に弱めている。
試しに、人口問題研究所のサイトからピラミッドの元になるデータをExcelでダウンロードし、赤い線より上と下をグラフ化してみた。
2015年では団塊ジュニア未満は39.7%と少数派だった。2025年にはあと一歩だがほぼ互角になっている。2025年には団塊ジュニア未満が多勢になる。
選挙権は18歳以上なので、選挙への影響で言うともちろん17歳以下を削らねばならない。だが、これまで少数派だったネット世代が日本社会ではっきり力を持ちつつあるのがわかると思う。
石丸氏を2位に押し上げ、安野氏に15万票も集めた原動力が、このグラフの紺色の部分にあり、それはどんどん比率を高めているのだ。
テレビを見ない世代にとって信頼の対象外
石丸氏や安野氏がテレビで扱われなくても、YouTubeが彼らを支えた。ネット世代にはテレビよりYouTubeが信頼されている。YouTubeは毎日使うし、自分に適した映像の探し方も知っている。選挙では、誰が自分にとって好ましい候補者か、自分で見出すことができる。
テレビは正しい情報を伝えるのかもしれないが、そもそも見ない。テレビとYouTube、アテにするのはYouTubeなのだ。見ないメディアは信頼の対象にさえならない。
少数派だったネット世代がどんどん数を増し多数派になる。選挙では有権者にとって、そして候補者にとっても、役に立つのはYouTubeだ。そんな時代がもう始まっている。