2022年から主催者が学生有志に変わった青学

大学で2団体がミスコンを行うことについて、「慶應塾生新聞」はこう伝えた。

「『ミス慶應コンテスト2022』実行委員会は『ミス慶應キャンパスコンテスト』について、『開催についてはSNSにて把握しているが、主催団体その他の情報については全く認知していない』とし、『開催に関する事前の連絡や相談等も一切なかった』と答えた。
ミスコンテストが2つ存在することについては、『4年連続で継続して開催しており、「ミス慶應コンテスト」として世間的にも認知されていると考えている』と答え、コンテストへの影響は否定した」(「慶應塾生新聞」2022年5月1日)

青山学院大のミスコンはこれまで大きなトラブルもなく、有名なアナウンサーを生み出しながら今日まで続けている。だが、2022年から主催者が大学公認サークルから学生有志に変わった。

「青山ミスコンは『青山学院大学学友会広告研究会』より当該コンテンツを独立させる運びとなりました。今年度より、青山学院大学とは無関係の学生団体『ミスミスター青山コンテスト実行委員会』が運営していくこととなります」

慶應義塾大同様、学生が大学の名前を使って勝手にミスコンを開いており、大学祭でのお披露目はない。にもかかわらず、「青山ミスコンは今年で47回目を迎え、数々のアナウンサー、女優、モデル、アーティストが誕生しております」と自慢する。

派手な宣伝文句を並べる中央大、多様性を意識する立教大

2022年のテーマは「prism」だ。その意味について、主催者はこう説明する。

「プリズムでは様々な色が発生するが、色んな性格の子が、コンテストを通して様々な色を手に入れ、それぞれの道に進んで行って欲しい。異なる経歴をもつ子達ですが、1度同じ舞台に立つ、つまり色んな方向のひかりが1度は集い、また分散していく、その通過点となるものにこのコンテストがなって欲しい。そんな運営としての願いを込めた」

ミス青山をステップに輝いてほしい、と言わんばかりだ。大学生を「子」と表現するところに稚拙感が出ている。

中央大もミスコン主催者は大学公認団体ではない。学生有志のサークル「RP」が運営し、こう訴えている。

「無限の可能性を秘めたファイナリストが目醒め、芽吹き、銘を打つシーンにスポットライトを当て想像を超えるような舞台を創り上げる」

昭和のバブル期と思わせるようなハデな宣伝文句を並べている。

明治大は大学ミスコン運営のサポート会社のウェブサイトで「Meiji Contest」が告知されているが、大学祭などの表舞台には登場していない。

立教大が唯一、大学公認団体、広告研究会の主催となる。「出場者・運営ともに自身の個性や魅力を発揮し、それを発信していくだけでなく、互いにその個性や意見を尊重し、思いやりの心を忘れずに活動して欲しいという思いを込めたコンセプトとなっております」とうたうのは、多様性への尊重を意識してのことだろう。

立教大学のモリス館(写真=phosphor/CC-BY-SA-3.0/Wikimedia Commons