早稲田大学と慶應義塾大学、ダブル合格した受験生はどちらに進学するのか。教育ジャーナリストの小林哲夫さんは「以前は、早稲田と慶應のどちらにも合格した場合、どの学部でも慶應を選ぶ学生が多かったが、2020年代から法学部を除いて早稲田有利となりつつある」という――。(第1回)

※本稿は、小林哲夫『早慶MARCH大激変 「大学序列」の最前線』(朝日新書)の一部を再編集したものです。

早稲田大学
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50年ぶりに志願者10万を割った早稲田大学

大学は4、5年でそう大きく変わるものではない、と言われる。新しい教育制度に変わっても、学部やキャンパスが新しくなっても、その成果は完成年度、つまり新入生が卒業するまでの4年(医学部などは6年)という年月を待たなければ、あるいはそれ以降にならないと、成果が示されないからだ。しかし、新しくなった制度、体制、教育内容に対する評価はできる。

早慶はブランド力がある大学といっていい。しかし、いつまでも安穏としてはいられない。なにも変わらず旧態依然とした体質が続けばどんな大学でも地盤沈下し、受験生からそっぽを向かれてしまう。早慶も例外ではない。18歳人口減少が進むなか、選ばれる大学にならなければならない――そんな危機感を共有している。

いま、早慶はさまざまなテーマに取り組んでいる。最新情報を紹介しよう。

2021年、早稲田大の一般選抜入試志願者数は9万1659人だった。これは大学入試をよく知る関係者には衝撃的なできごとである。早稲田が10万人を割ってしまうのは1972年以来だからだ。2022年には9万3843人と盛り返したが、大台には届かなかった。

志願者減少を象徴する学部がある。「早稲田の政経」だ。