全く働いていないのに年金以外に毎月20万円
「年金制度がこうなってくれないと自身の生活に困るといった不満は正直、まったくないですね」
東京・池袋駅から電車でおよそ30分。埼玉県内の分譲マンションに暮らす66歳のタクミさん(仮名)は、取材する編集者に困惑しながら語った。それもそのはず、タクミさんは年金がなくても暮らしていけるほど、十分な資産を持っているからだ。
タクミさんは大学院を修了後、大手金融機関に入社。資産運用に関する業務を中心に30年余り勤めてきた。30歳の頃は「貯金よりも、奨学金の借金のほうが多かった」というタクミさんだが、現在の金融資産は2億6000万円にのぼる。投資信託の配当金や国債・社債の利息収入だけで月額換算20万円の手取り収入がある。
「資産運用に関する業務に携わっていてもというか、仕事に加えて自身の資産の運用にまではあまり関心がありませんでした。投資のきっかけは、顧客向けに投資を勧める資料の作成でした。主な長期投資先は海外株式。リスクを取る決断には、後押ししてくれるきっかけが必要だと思います」
年金も手厚い。国民年金と厚生年金保険は合わせて月額14万円ほどだが、勤務先の企業年金と共済年金の2つの制度に加入していたため、公的年金とは別に月額で20万円を受け取る。
月々の収入は合計で54万円。厚生労働省が公表している『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、厚生年金の最大金額である月額30万円台を受け取る人は年金受給者全体の約0.08%しかいないが、タクミさんは年金と投資収入でそれを遥かに上回る収入を得ている計算になる。
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