年金を作った官僚の赤裸々な「回顧録」
日本の公的年金制度は、明治期に軍人や官僚のための恩給制度として始まった。その後、教師、警察、現業職員など公務員向けの年金制度が整備された。つまり、日本の年金はもともと仕事の潰しが利かない公務員の老後生活用の特権だった。したがって、民間人が公的年金制度を使うことは考えられていなかった。
しかし、第二次世界大戦において、総力戦体制が構築される中、民間の労働者も公的年金制度の対象として加わった。これが現在まで続く厚生年金制度の始まりである。公的年金制度は戦費調達や強制貯蓄によるインフレ抑制なども目的にしており、その保険料は第二次世界大戦中に開始した源泉徴収制度を利用して回収されることになった(そして、ようやく戦後の1959年になって自営業や農家などの労働者以外の人々も含めた国民年金法が成立した)。
こちらは会員限定記事です。
無料会員にご登録頂くと、会員限定サービスをご利用いただけます。
30秒で世の中の話題と動きがチェックできる限定メルマガ配信
約5万本の全ての記事が閲覧可能
記事を印刷して資料やアーカイブとして利用可能
会員限定イベントにご招待