空気が通りやすいように、「こぶし1個」は間隔をあけて干す

ピンチハンガーに干すときも、ハンガーラックや突っ張り棒などに干すときも、衣類と衣類の間隔を、こぶし1個分以上あけます。この幅が近すぎて、洗濯物がギュウギュウ詰めのような状態になっていると、せっかく湿度、温度、風の理想的な環境をつくっても、空気の流れが滞って効果が半減してしまいます。

とにかく、衣類が空気に触れる表面積をなるべく広げることがポイントです。ポケットのあるものは裏返して、ポケット部分も空気に触れさせます。パーカーなどのフードは、ハンガーを2本使って広げれば、パーカーの裏側も空気にさらせます。

タオルも2本のハンガーを使って、コの字形になるように干しましょう。そのほうが空気に触れる部分が大きくなります。

洗濯物はなるべく高い位置で干す

理科で習いましたが、温かい空気は上のほうにたまります。逆に、冷たい空気は下に落ちていきます。洗濯物から出た湿気は、冷たい空気のある、部屋の低い位置にたまっていきます。

というわけで、なるべく温かい空気があって、湿気がたまりにくい、高い位置に干したほうが乾きの効率はよくなります。なるべく上に、上に、干すようにしましょう。

腰くらいの高さの物干しで乾かすより、大人の背より高いくらいのハンガーラックに吊るしたほうがよく乾きますし、それより高い位置に取り付けた突っ張り棒を使えばもっといいというわけです。障子やふすまなどの上にある「かもい」にハンガーをひっかけてもいいでしょう。

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クリーニング屋では、洗った物を天井に近い位置に吊り下げています。知り合いのスタイリストさんは、自宅の屋上に出る階段を上りきったスペース(階段室)に干しているそうです。さすが、よくわかっているな、と思いました。

同じ理屈で、服の乾きにくい部分は、なるべく上にして干すのがポイントです。靴下の厚いリブの部分や、デニムのポケットなどは内側を裏返して外に出して干します。こんなちょっとしたことで乾く時間が大きく変わりますから、ぜひやってみてください。

今回は、部屋干しのコツについてお話しました。部屋干し臭を防ぐには、洗濯槽をきれいにすることも大切です。湿気の多い春夏は臭い菌が繁殖しやすいので、月に1回は洗濯槽を洗浄しましょう。秋冬は3カ月に1回で大丈夫です。

お気に入りの服をキレイに洗えるだけでなく、傷めず長持ちさせることができます。全3回でご紹介したボクたちの洗濯術で、毎日の洗濯を楽しんでくださいね。

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