2020年(1~12月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。暮らし部門の第1位は——。(初公開日:2020年12月18日)
なぜ部屋干しだと洗濯物が臭うのか。『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』(アスコム)を出した「洗濯ブラザーズ」の茂木康之氏は「すすぎの水が不足していると、せっかく離れた汚れが、また繊維に戻ってしまう。洗濯機を全自動設定からマニュアルにして水量を増やし、『洗い』と『脱水』の時間を変えればいい」という――。
※本稿は、洗濯ブラザーズ『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』(アスコム)の一部を再編集したものです。
日本の洗濯機は圧倒的に水の量が足りない
ほとんどの人が、全自動洗濯機を使っていると思います。
全自動洗濯機は洗濯槽にセンサーがついていて、洗濯物の重さと体積を測って、自動で水の量を計算し、スタートボタンを押すと水がジャーッと流れてきます。とても便利ですが、「汚れをしっかり落とす」という観点では、この便利さが仇になっていると言わざるを得ません。
なぜなら、日本の洗濯機は自動的に節水モードになっているからです。ボクらプロから見ると、圧倒的に水の量が足りないのです。節水はとても大切なことですが、洗いの段階で水が少ないと、汚れがしっかり浮き上がってくれません。
さらに、肝心なすすぎのときに水が不足していると、せっかく離れた汚れが、また繊維に戻って(!)しまいます。部屋干しのイヤな臭いや、黄ばみ、黒ずみは、このせいで起こります。だからプロは、水量の設定をすごく大事にしています。ここが洗濯のいちばんのポイントです。
家庭用の洗濯機なら、基本設定より水量を一段階上げるか、いっそ満水にしてもいいくらいです(洗濯物が少ない日も、です)。そうすると洗濯槽の中で服がよく動くので、汚れがしっかり落ちてくれます。
またドラム式洗濯機はすすぎのとき水が少ないので、すすぎの設定を「注水」にするのがおすすめです。ふつうは洗濯槽にたまった水ですすぐのですが、注水は、新しい水をどんどん注ぎ入れながらすすいでくれるので、そのぶん使用する水が多めになります。