窓リフォームに100万円ヘルメットに2000円
年金や児童手当のように通知が届くお金は、取りこぼしにくい。問題は、通知がこないお金です。国や自治体には、申請すればもらえる給付金や助成金が数多くあります。たとえば多くの市区町村では道路交通法改正を受けて、自転車ヘルメット購入に補助金(例:名古屋市では購入費の半額・上限2000円)を支給しています。千葉市をはじめ、ごみ減量に取り組むいくつかの自治体では、生ごみ減量処理機の購入に助成金を出しています。
ただし、住民一律に対象となるものは滅多にありません。コロナ禍で全国民を対象に10万円を給付したことがありましたが、あれは特例中の特例です。自治体独自の制度は市区町村が、地域の実情に合わせ対象者を限定して実施しています。周知も自治体HPや広報紙が中心なので、忙しい人は見る機会も少ないでしょう。
自分で条件に該当することを確認・申請して初めて、お金を手にすることができます。面倒くさがったり後回しにしていると、期限を過ぎたり予算上限に達して締め切られてしまいます。その結果、制度があり対象にもなっているのに、取りこぼしてしまう人があとを絶たないのです。どんな制度があるのかを具体的に見ていきます。
まずは健康や医療介護に関する分野から。介護保険には自宅を安全に改修するための「住宅改修費」の支給制度があります。要介護認定を受けた人が対象で、手すりの設置や段差の解消など、転倒防止につながる改修に利用できます。上限は20万円で、自己負担が1割なら最大18万円の支給を受けられます。ただし、工事を始める前に申請しなければなりません。
介護サービスを利用して自己負担額が一定額を超えた場合は「高額介護サービス費」の対象となり、超過分の払い戻しが受けられます。ただし自動的に還付されるわけではなく、申請が必要。自己負担額の上限は所得に応じて決められており、「一人暮らしで収入が年金のみ」といった場合、自己負担額の上限が低く設定されています。
補聴器を購入する場合は「補装具費支給制度」を利用することで費用の9割が支給される場合があります。ただ、対象となるには障害者手帳の等級などの要件を満たす必要があり、「聞こえにくい」というだけでは利用できないこともあります。一方、自治体が独自に補聴器購入費を助成しているケースも増えており、数万円から10万円を超える補助が受けられることもあります。
住まいに目を向けると、省エネや住環境の改善を目的とした助成制度が充実しています。窓の断熱リフォームでは、国の「先進的窓リノベ事業」などの補助金を利用できる場合があります。補助額は工事内容や窓の大きさなどによって異なりますが、1戸当たり最大100万円、窓1カ所でも十数万円の補助を受けられるかもしれません。ただし、申請は遅くとも今年11月までで、予算の上限に達すると受付終了となり、過去に早期終了したこともあります。
給湯器を省エネ性能の高い機種に交換する際は、国の「給湯省エネ2026事業」で補助を受けられる場合があります。エコキュートなら1台当たり7万〜10万円程度が補助され、古い電気温水器を撤去する場合には加算もあります。省エネ家電への買い替えでは、東京都の「東京ゼロエミポイント」のように自治体独自の支援制度を設けている例もあります。制度は毎年内容が変わることが多いため、最新情報を確認しましょう。
年金や相続にも、申請や手続きによって負担を軽減できる制度があります。「年金生活者支援給付金」は、一定の所得以下の老齢基礎年金受給者などを対象に、年金に上乗せして支給される制度です。2026年度は月額5620円(年額約6万7440円)が支給されます。対象となる人には日本年金機構から届出書(ハガキ)が送られてきますが、返送して申請しなければ支給は始まりません。毎年9月から翌年1月の間に申請すれば10月分まで遡って受給できる特例があるので、届いても放置して、受け取れる給付金を逃しているケースも少なくありません。
健康保険や国民健康保険には、被保険者が亡くなった際に「葬祭費」や「埋葬料」が支給される制度があります。支給額は3万〜7万円程度が一般的です。一人暮らしの場合は遺族が制度の存在を知らないまま申請期限(死亡から2年)を過ぎてしまうこともあるため、あらかじめ制度の存在を伝えておくと安心です。
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