動いて疲れをとる「アクティブレスト」

アクティブレストは日本語で「積極的休養」とされ、もともとはアスリートの間で普及した方法。練習を段階的にハードな日、軽い日、休養日と設定する中で、休みの日にも体を軽く動かして筋肉をほぐす程度の動きをするほうが、疲労の回復が早いというものだ。

ジョージア大学の研究によると、1日20分、週3回運動をすると、6週間で日常感じる疲労感が軽減され、よりはつらつとした生活が送れるようになるという。運動は全身の血行をよくすることで酸素を巡らせ、肉体的な疲労ばかりでなく、ストレス解消や心身をリラックスさせる働きがある。幸福感をもたらすエンドルフィンや、精神を安定させるセロトニンなど脳内物質の分泌が、運動によって促されるためだ。忙しいビジネスマンも、疲れたら少しの運動を取り入れると、心身の疲労に十分に効果を発揮する。

アクティブレストで期待できるのは、こんな効果だ。

*血液を循環させ酸素を全身に行きわたらせる。
*幸福感や精神安定の脳内物質を分泌させる。
*老廃物の排出を促す。

たとえ疲れていても、1日中ゴロゴロするより、散歩程度でも適度に体を動かすことで全身に酸素がいきわたり、頭も体もスッキリ。ジョギングや水泳などの有酸素運動はもちろん、軽いストレッチでも効果はある。そのとき携帯やPCは、情報過多による疲労の原因になるため少しでも距離をおきたい。

脳が疲れていては、高いパフォーマンスは期待できない。仕事に振り回されるのではなく、仕事をコントロールして体をケアしていきたいものだ。特に人とのコミュニケーションでは、頭の冴えが必要だから。

[脚注・参考資料]
Psychology Today, Do You Have to Get Sick to Slow Down?, Paula Davis-Laack
TIME , Why Am I So Tired?’ 14 Reasons You’re Tired All the Time,
12 MINUTE THLETE , How to Take an Active Rest Day

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