男女混合の組織が普通になりつつあるが、どうも異性との話がかみ合わない。その理由を生物学的に検証しつつ、すぐに役に立つ会話術を紹介しよう。
「どこまで私を見てくれているの」
女性の部下が増えた男性役職者。女性上司の下につく男性部下。アベノミクスによるウーマノミクスが進むほど、職場はかつてのような「同質集団のきれいな縦社会」ではなくなる。異性とうまくやれること、異性のモチベーションをあげる話し方――。異性とのコミュニケーションは仕事のうえでの重要なポイントになってくる。
そこで、理学博士にして恋愛カウンセラーのぐっどうぃる博士と、元マイクロソフト営業部長で、現在はキャリアとコミュニケーション支援に携わる田島弓子さんに「異性との話し方」について聞いてみた。
2人が「まず前提として」挙げたのはコミュニケーションの目的の違いだ(図)。そもそも男性は会話を「目的を果たすためのツール」「情報」としてとらえているのに対し、女性は「共感」や「和」を得るために話すのだ。ゆえに女性の恋人や妻からは男にとって意味のない「今日はいい天気だね」といったメールが頻繁に届き、逆に女性は男性が用件だけで電話を切ることに不満を覚えるのだ。
加えて、ぐっどうぃる博士は、話す際に男女が重視することの違いを挙げる。
「男性は自分の『能力』を重んじるので、問題は自分で解決しようとします。相談すること自体で優劣がついてしまうんですね。一方、女性は『周りの役に立つこと』=『自分に価値がある』という意味で重視するので、人間関係の中で自分の居場所を見つけることに重きを置くんです」
だから女性には結果うんぬんより、「今回の仕事は、君のおかげでうまくいったよ」といった、ケアをする言葉を常にかけないといけないのだ。同性には嫌われないのに、対女性となるとどうしてもうまくいかないという男性はこの「ケア」能力が足りないのではないか、とぐっどうぃる博士は語る。
「女性は『どこまでちゃんと私を見ていてくれるの?』ということを気にしています。だからプロセスや仕事ぶりを丁寧に見てこまめにねぎらいの言葉をかけることです」