あなたの口癖が身近な人を激怒させているかもしれない。筆者は会社員時代に、「わかってます」と返事をして上司を怒らせた経験がある。「その答え方は生意気だ! オレの指示内容が最初からわかっているつもりか。『わかりました』と言い直せ」と厳しく叱られた。ふてくされた筆者は「はいはい」と生返事をして、上司をさらに怒らせて嫌われた。他人から好かれるのは難しいが、嫌われるのは簡単だ。筆者のように相手を「侮る」言葉や責任から「逃げる」言葉を連発すればいい。
上から目線で「侮る」言葉は、さらに【似非インテリ】系と【パワハラ】系に分けられる。【似非インテリ】は実際にはさほど優秀ではないので仕事で失敗も多い。それでも他人を小バカにした発言を繰り返してプライドを保とうとする。嫌われて当然だ。最もありがちなのが、上司から指示や注意を受けた際に、[事例1]「はいはい、言いたいことはわかります」といった返答をする人。指導内容を深く理解することで自分の能力不足を目の当たりにするのを恐れているのだ。一方で根拠のない自信もあり、現在の仕事や上司が優秀な自分にはふさわしくないと思っている。このような臆病な傲慢さを言葉ににじませる似非インテリ部下は、男からも女からもあまねく嫌われる。
似非インテリ上司の場合、特に女性から嫌われやすい。部下が報告している途中で遮って「それって○○ってことでしょ?」と勝手に要約して話を終わらせてしまうことが多いからだ。「私は経験豊富で優秀。未熟な君が言いたいことはもうわかったよ」という態度は、話を十分に聞いてもらえないとストレスを感じる傾向のある女性には受け入れがたい。百貨店勤務の30代女性は「確かにほとんど当たってる。でも、ちゃんと聞いてもらえます? 順序だてて報告したいのだから」と反論したくなるという。したくてもできない分だけ怒りが蓄積する。
同じく似非インテリ上司の言葉が、[事例2]「わかる?」だ。一生懸命にメモをとりながら聞いている部下に向かって、挑発的な口調でこの一言をぶつけてみよう。男女の別なく決定的に嫌われるだろう。「説明が下手だったかもしれないけど、大丈夫かな?」と言葉を尽くす謙虚さとは対極だ。
情報メーカー勤務:30代男性部下→40代男性上司への一言
→「はいはい、言いたいことはわかります」
[事例2]「似非インテリ」系
百貨店勤務:30代後半女性上司→30代半ば女性部下への一言
→「わかる?」