女性同僚との恋愛話はNG

【パワハラ】に関しては、成熟しつつある日本の企業社会では、「ガタガタ言わずに命令に従え」といった明らかに野蛮な発言をする人は少なくなった。しかし、[事例3]「で、君はどうしたらよいと思う?」のように、使い方次第では隠れたパワハラになる。部下が間違った意見を言うことを前提に使う場合だ。女性より男性のほうが面子を重視するもの。優秀な男性部下を持っているならなおさら、その「意見」を踏み台扱いすると簡単に敵に回せる。

仕事の責任から逃げる発言をする人も職場で広く確実に嫌われる。時には部下を厳しく指導するのは上司の役割だ。にもかかわらず、[事例4]「ある人が言ってたよ。君はエラそうだって」と【ずるがしこい】言い方をすると、「言いたいことはあるのだが責任は負いたくない。嫌われたくない」という卑怯な態度が見えてしまう。部下は「自分のどういう態度や発言を見て誰がそう思っているのか。どう直せばいいのか」を知ることができない不快さが続き、この上司を深く恨むだろう。

[事例5]も同様。要領を得ない報告をする部下を指導するのも上司の重要な仕事である。しかし、不快そうな顔で「で?」を繰り返すだけでは部下は「何が足りないのか」がわからないまま困惑し、尊厳が傷つけられるだけだ。

仕事の場に男女関係を持ち込む人は少なくないが、同性だからといって気を緩めすぎる発言をすると嫌われる。特に女性同士は要注意。以下、[事例6]「いい男の人を見つけないと女はダメ、だよね~」を言われた同僚女性の感想。

「私も未婚だけど一緒にしないで。私はちゃんと働いて勉強もしているし、将来に備えて投資もやってる。婚活して付き合い始めた男性もいる。何の努力もしないあなたとは違う!」

[事例3]「パワハラ」系
銀行勤務:40代男性上司→30代半ば男性部下への一言
→「で、君はどうしたらよいと思う?」
こう見透かされています!▼(その件なら答えを知っているよ。さっき部長から教えてもらったばかりだからね。でも、すんなり答えてやるとオレのすごさが伝わらないなあ。よし、コーチング風にまずはこいつの意見を聞き出してやろうか。どうせ間違えるだろうけど。そこでビシッと正解を示してやればオレの威厳が高まるぞ。ムフフフ)

[事例4]「ずるがしこい」系

損保勤務:50代男性上司→30代半ば男性部下への一言
→「ある人が言ってたよ。君はエラそうだって」
こう見透かされています!▼(本当は僕がそう思っているんだよ。君は少しぐらい仕事ができるからって上司である僕を軽んじているからね。でも、僕だけが嫌われるのは避けたい。たぶんほかの人も同じように思っているはずだから、『ある人』の発言にしちゃおう。そのほうが職場に波風が立たずに済むのだ。これは大人の忠告だぞ)

[事例5]「ノーアイデア」系
電機メーカー勤務:50代男性上司→40代半ば男性部下への一言
→「で?」
こう見透かされています!▼(なんかゴチャゴチャと報告しているけれど、ちゃんと理解して適切な判断を下すのは面倒くさいなあ。オレも忙しいんだからさ。その長い話を要約して、上司である僕に何をどうしてほしいのかを言い直してよ。あー、この気持ちをいちいち表現するのも面倒くさい。部下相手なんだから一言で済ませちゃおう)

[事例6]「オンナになる」系
情報通信会社勤務:30代前半女性→30代前半女性への一言
→「いい男の人を見つけないと女はダメ、だよね~」
こう見透かされています!▼(さっさと結婚して家庭に入って安心したいな。仕事はつまらないし、働くのはもう疲れちゃった。婚活するのはカッコ悪くて嫌だけど、もう30歳過ぎちゃったから焦るよー。でも、私だけじゃないはず。あなたは私より1歳年上だったよね。なんだか真面目に働いちゃってるけど、無駄な努力じゃない?)

以上の事例から導き出せるのは、オブラートに包んだつもりでも自分本位の発言は必ず露見して嫌われるという真実だ。人の恨みほど怖いものはない。今日から気をつけよう。

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