打つ前に41秒以上考え込んでいないか

ゴルフはスポーツの中でも、特にプレーマナーが求められます。紳士のスポーツと呼ばれる理由もその辺りにあるかもしれません。ルールに準ずるのはどんなスポーツにも共通しますが、ゴルフではルールには記載されない、好ましい立ち居振る舞いが強く求められます。

最も重要なもののひとつが「スロープレーしない」ということです。スロープレーはそれ以降の組に大きな迷惑をかけ、その日のゴルフ場全体の進行を乱します。実はこれはルール規則にも明記されていて、R&A(英国ゴルフ協会)とUSGA(全米ゴルフ協会)が定めた「ゴルフ規則」5.6では「速やかなプレーのペース」が求められ、一打あたり40秒以内で打つことという目安が決められています。そしてそのうえで、打つたびに40秒かけていては、時間のかかりすぎであるともされています。プレーを不当に遅らせた人には罰則も科せられます。

ところが、アマチュアの見本となるべきツアープロのプレーを見ても、彼らが40秒を超えて時間をかけているところを頻繁に目にします。多額の賞金がかかり、強いプレッシャーの中で難コースをプレーするプロたちは、どうしても打つまでに時間がかかることがあります。プロたちのプレーに時間がかかりすぎることは、しばしば問題になり、主催する団体も頭を悩ませています。

よく知られているゴルフマナーを紹介すると、「他のプレーヤーが打つときは静かにする。視界に入らない」「グリーン上では、他のプレーヤーのラインを踏まない、またがない」「バンカーショット後は砂をならす。グリーンのピッチマークやショットのディボット跡は修復する」などがあります。大抵のゴルファーは、十分にマナーを守ってプレーしているはずですが、なぜかゴルフ場にはならしていないバンカーがあったり、直していないピッチマークがあったりして、ゴルファーのイライラを誘っています。

近年のプレースタイルの変化に伴い、新たなマナーの必要も生まれています。

例えば、プレーの合間にスマホで写真や動画を撮影して、はしゃぎすぎたりプレーが遅くなってしまったりする。あるいは、サブバッグを持っているプレーヤーがグリーン周りで乗用カートを全く運転しなかったりすると、他のプレーヤーから不興を買いがちです。

SNSでは、「こんなにひどいマナーの人がいた!」といった被害報告が毎日のように書き込まれています。最近盛んになってきている一人予約でもトラブルは少なくないようで、マナーが悪く身勝手なプレーヤーとの組み合わせになって、楽しいはずのゴルフが台無しになってしまう人もいます。

ルールに沿ってより厳格にプレーする競技ゴルフでは、求められるマナーもさらに厳しくなります。ほかのプレーヤーが打つ際に、話し声や物音を立てないのは当然ですが、視界に入らないようにすることも大切です。特に後方でプレーヤーの視界に入っているのは、かなりのマナー違反です。これはショットでもパッティングでも変わりません。

構えたときにワッグルの一種として、無意識にボールの後ろの芝をクラブヘッドでグリグリっと押してしまう人が少なくないのですが、シビアな競技ではこれは「ライの改善」というルール違反になりかねません。微妙な動きをすると、同伴プレーヤーからクレームがあるかもしれません。ツアープロの多くは、ボールの後ろの芝になるべく触れないようにプレーします。意図していなくても、ライの改善を疑われそうなプレーをしないのはマナーだと言えるでしょう。李下に冠を正さずということです。

アホらしいマナーを真剣に訴える理由

マナーに厳しく、自分を律する分にはよいのですが、ゴルファーは得てして他のプレーヤーにマナーを守るように求めがちです。それは悪いことではないのですが、ややもすると高圧的で排他的になります。