“尿管結石”手術から1カ月後に現れた“石の芽”
「……左右の腎臓に、1.6mmほどの石灰化が見えます」
今年1月、泌尿器科医の志賀直樹さんが私に語りかけました。
思わず息をのみました。手術して取り除いたばかりの結石が再発したのかと思いましたが、医師は首を横に振りました。
「これは新しくできた結石ではありません。もともと腎臓の壁の中に埋もれていた、ごく初期の石灰化です」
再発ではないものの、すでに「石の芽」が育っていたとは……。
そもそも結石は突然できるわけではなかったのです。腎臓の腎杯乳頭の内部で生まれ、露出して初めて結石と呼ばれるといいます。今回見つかった「石の芽」はこの前段階のものでした。
私は昨年12月末に千葉県鴨川市の亀田総合病院で、2泊3日の入院手術を受けたばかりでした。最新の内視鏡レーザー破砕術によって、尿管に居座っていた15mmもの巨大な「岩」を完全に粉砕・摘出したのです。全身麻酔から覚めた私に、医師は破砕回収され容器に入れられたすべての石を見せてくれました。あの時の医師の晴れやかな表情を、私は一生忘れないでしょう。
「これでようやく、あの七転八倒する激痛から解放される。長い戦いだった……」
退院時、私は新しい人生が始まったかのような万能感に包まれていました。術後の経過は極めて良好。ところが、それからわずか30日後。術後の定期検診で私を待っていたのは、冒頭で記した、あまりに残酷な左右の腎臓に映し出された1.6mmの石灰化でした。
薬を飲み、食事にも気を使っていたのに…
「また再発したようなものだな……」
絶望感が足元から這い上がってきました。私はこの数年、尿酸値を下げる薬を毎日欠かさず飲み、ビールや魚卵といったプリン体の多い食事も徹底して避けてきました。健康診断の数値は常に安定しており、再発防止には万全を期していたはずでした。それでもなお、腎臓の中では“石の芽”が静かに育っていました。
実はそこには、真面目に健康を気遣うビジネスパーソンこそが陥りやすい、恐ろしい「盲点」が隠されていたのです。

