「気持ち良い動き」が上達を邪魔する

人生には誰でも4つの記念すべき日がある。1は誕生日、2は婚約の日、3は結婚の日、4は死亡の日である。だが、ゴルファーにはもうひとつ、これに加える日がある。それは初めて100を切った日だ。

これは1920年代に米国のゴルフ専門誌「ゴルフ・イラストレーテッド」の主筆だったリューイス・ブラウンの言葉です。誕生や死と同レベルに論じるのは、いささか大げさにも思いますが、ゴルファーにとって、スコアの100切りがどれだけ重大であるかをよく示している格言といえるでしょう。

そして、100年前はゴルフにおける100切りが、いかに難しかったのかも物語っています。

ゴルフコースの緑の芝生の上のゴルフクラブとゴルフボール
写真=iStock.com/Boris_Zec
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念のために説明しておくと、ゴルフには基準スコアとなるパーがあり、多くのゴルフ場は、パー72で運営しています。100切りとは、パーから27オーバー以内のスコア99以下でラウンドすることをいいます。

リューイス・ブラウンの時代に比べると、現代はスコアで100を切ることはそれほど困難ではなくなりました。それはボールやクラブといった道具が飛躍的に進化したことと、ゴルフの技術指導のレベルが向上したことが理由です。さらに動画配信などで技術向上のコンテンツに容易にアクセスできるようになったことも特筆すべきでしょう。

新たにゴルフを始めた若い層にとって、100切りがそれほど大きな壁にならなくなりつつあるのに対して、ゴルフ歴の長いゴルファーにとっては、依然として100切りに悩んでいる人は多いようです。

平均スコアが100未満の人の割合は、ゴルファー全体のわずか3〜4割といわれています。熱心に練習していても、半数以上の人がなかなか100を切れないでいるのです。

こうした伸び悩みはなぜ起きるのでしょうか。

その理由として考えられるのが、多くのゴルファーが独学でゴルフを習得しようとしていることです。最初は友人や職場の先輩などに教わることが多いですが、とはいえ、彼らも専門的に教えられるわけではありません。プロなどからゴルフレッスンを一度も受けたことがない人は非常に多く、そもそもレッスンを受けることに興味がない人も少なくありません。

その結果、グリップやアドレス(構え方)といった初歩的なところから、ミスの原因になっている人も多いのです。彼らはレッスン本やネットで見た情報を組み合わせながら、思い思いの方法でプレーしています。

これは料理に例えると、カレーとシチューとボルシチのレシピをそれぞれ組み合わせて作っているようなものです。それでも美味しく作ることのできるセンスの良い人もいるにはいるのですが、大半のゴルファーはごった煮の技術のままで、正確性も再現性も上がらないままでいます。