他業種からの参入者は昔から数多くいる

関西テレビ放送のアナウンサー、坂元龍斗さんが今年の5月に同局を退社し、ゴルフユーチューバーに転身することを表明されました。2021年から始めたユーチューブチャンネルはまたたく間に人気となり、現在はチャンネル登録数25.8万人と多くのファンを集めています。

テレビ局アナウンサーという安定した職業から、競争が激化して寡占気味のユーチューバーになる。それもゴルフという限られたジャンルということで、意外に感じた人も多いようですが、筆者は四半世紀あまりゴルフ業界を中心に活動しているなかで、こうした他業種から参入してきた人々を多く見てきました。昔から、坂元さんのように社会的地位が高いと思われる職業から、ゴルフの世界に飛び込む人は存外多いのです。

今回はユーチューブが人気になったことで手応えを得ての転身のようですが、かつてはゴルフ情報のウェブサイトを立ち上げたり、ゴルフにまつわるブログが人気になるなどして、それを足がかりにインフルエンサーとして活動したり、事業展開する人が存在しました。今回もそんなケースのいわば現代版に見えます。

なぜ、彼らはゴルフを仕事にしようとするのでしょうか?

その理由は、ゴルフが好きだからということに尽きるのですが、そうであっても今の職業を続けながらゴルフにのめり込むこともできるはずです。ゴルフにはなにか仕事にして関わりたくなる魅力があるのかもしれません。

これまで、高学歴で知名度の高い一流企業に勤めている人が、急に思い立ってゴルフ業界に転身する例をいくつも見てきました。収入が大きく下がる場合も多く、周囲の人間からは理解できない決断も多かったですが、その人たちにはそれぞれ自分の人生を顧みて、新たな業界に飛び込む内的な必然性があったようです。

ゴルフをする人々
※写真はイメージです

上場企業を辞めてキャディになる人も

人生をかけるほどリスクが高くないパターンもあります。別業種の企業オーナーで、本業の業績が良いので、なにかゴルフを仕事とするために新規事業として手がけるケースです。

ゴルフが好きな企業オーナーの多くは、プロゴルファー個人をスポンサードするなどして、ゴルフと関わろうとすることが多いようです。昨今、人気が低迷していると言われる国内男子ツアーの選手であっても、スポンサーに困ることはほぼありません。試合出場が限定的な選手であってもスポンサーがつくほど、お金を出したい企業は多いのです。若い女子選手ならなおさらで、最近はプロテストに合格する前の選手でさえ、多くのスポンサーがついています。

不動産業やオフィス環境の整備事業を展開するACNホールディングスは、ここ数年でスポンサードする所属選手を増やし、さらには「ACNチャンピオンシップゴルフトーナメント」の主催、25年からは2部ツアーに相当するチャレンジツアーのタイトルスポンサーとなるなど、男子ツアーを中心にスポンサードを拡大しています。もちろん宣伝効果が期待できるというのが前提ですが、1試合で数億円はかかると言われるトーナメントのスポンサー費をはじめ、高額な投資を行えるのは自身もゴルフが好きで、男子プロゴルフを活性化したいというオーナーの強い意向のためと言われています。

トーナメント開催は無理でも、ゴルフ事業に投資したいという企業オーナーは後を絶ちません。ゴルフショップのフランチャイズに加盟したり、インドアレッスンスタジオを起業したり、と新規事業としてゴルフに進出するわけです。