家族の「大丈夫」は安心材料にならない
食事や運動に気をつけ、薬も飲んでいるのに、血圧などの数値がなかなか下がらない人がいます。考えられる原因の一つに、睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」があります。疑うべきサインとして知られるのが「いびき」です。
人は眠ると喉の筋肉がゆるみ、いびきをかきやすくなります。深い睡眠中に規則的ないびきが出るのはよくあることで、呼吸が止まらないいびきであれば、それ自体が体に悪いわけではありません。しかし、リズミカルに聞こえていたいびきが突然止まり、しばらくして再び始まる場合には「無呼吸」を伴っている可能性があり、警戒が必要です。呼吸が止まるたびに脳が一瞬目覚めた状態になり、睡眠が細切れになるからです。1時間に30回以上呼吸が止まったり浅くなったりする人は重症とされます。
主な原因は、喉の奥の空気の通り道が狭くなることです。最大の要因は肥満で、首まわりや舌についた脂肪が気道を圧迫します。顔や下顎が小さい骨格の人は舌の収まる空間が狭いため、太っていなくても無呼吸になることがあります。
親のいびきがひどかった記憶がある人も、注意したほうがいいかもしれません。睡眠時無呼吸症候群が遺伝するというよりも、顎の骨格が受け継がれやすいからです。また、同じ家庭で似た食生活を送るうちに、太りやすくなり、体形も親子で似てきます。
血圧の薬を飲んでいる人は、まず薬でどこまで数値が下がっているかを振り返ってみましょう。降圧薬を3種類組み合わせても下がらない、あるいは薬の種類や量が増える一方という場合に、いびきや日中の眠気にも心当たりがあれば、自分から医師に相談してください。血圧の診察では睡眠の話題まで及ばないこともあるので、自分から伝えましょう。
寝ている間のことですから、いびきをかいているか、呼吸が止まっているかを自分で確認することはできません。そこで家族に尋ねて「いびきはかいているけれど、息は止まっていなかったよ」と言われ、安心している人もいます。ですが、家族が呼吸の停止に気づくのはある程度重症になってからのことが多く、一晩中寝姿を見ているわけでもないので、指摘がないことは無呼吸がない証拠になりません。
起きている間に自分で気づけるサインとしては、睡眠時間は足りているはずなのに疲れが取れない、朝起きると頭痛がする、といった不調があります。人と話したり体を動かしたりしている間は平気でも、机に向かうと耐えられないほど眠くなる人は、睡眠不足や睡眠の質の問題などを調べる必要があります。
無呼吸を疑う前に、まず睡眠の量が足りているかを確かめておきましょう。40〜50代であれば必要な睡眠時間は7〜8時間という人が多く、平日の不足を休日の朝寝坊で補うのが当たり前になっている人は、そもそも睡眠量が足りていません。なお、50代以降なら夜中に1回程度目が覚めるのは自然なことで、すぐに再び眠れるなら気にする必要はありません。
相談はかかりつけ医へ検査は自宅で受けられる
無呼吸が疑われるときの最初の相談先は、かかりつけの内科や耳鼻咽喉科で構いません。ただ、無呼吸を扱っていない医院や、不眠症などを専門にする睡眠クリニックもあります。相談すれば対応してもらえることがほとんどですが、念のためホームページなどで検査の有無を確かめてから受診するといいでしょう。
受診後は、自宅で機器を付けて眠る簡易検査からスタートします。費用は初診料なども含めて3000〜5000円程度です。すぐに検査できる医院であれば、受診から1カ月以内に受けられます。結果によっては入院や在宅での精密検査に進み、医療機関によって差はありますが2万円から5万円程度で収まります。
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