妻と街を歩くと商売の原理原則がわかる
ソースの焦げる香ばしい匂いが鼻をくすぐります。カンカンと軽快に響く鉄板とヘラの音、立ち上る湯気の向こうで家族連れや観光客が、思い思いにお好み焼きを頬張る姿が見えます。店員さんたちの元気な声が飛び交い、店全体が活気に満ちています。
ここは大阪・天満にあるお好み焼きの老舗「千草」。今日は店長が腕を振るう大きな鉄板前の特等席に案内されました。注文したのは千草焼とチャンポン。それに酎ハイと、妻が大好きな焼そばです。ふんわりと軟らかい生地に、まろやかで深みのあるソースが絡んで、東京では味わえない本場の美味しさを堪能しています。
この店は妻がこちらに転居してきた日に、大阪らしい街並みを見せてあげようと散歩をしていて、偶然見つけました。アーケードの横に延びる狭い路地に行列ができていたので私たちもとりあえず並び「何のお店だろうね」などと話していると、知らないおじさんが声をかけてきました。
「あんたら、何もわからんで並んどるんか、けったいやな。ここは大阪で2番目に美味しいお好みやで」と教えてくれました。「一番はどこ?」と聞こうとしたのですが、おじさんは「ほなな」と行ってしまいました。誰にでも気さくに話しかけてくれるのが、いかにも大阪らしい。その後、何軒も食べ歩きましたが、味といい雰囲気といい、ここを超える店には出会っていません。
休日を一緒に過ごすのは、私たち夫婦の10年以上続く習慣です。私が50歳手前の頃、子どもに手がかからなくなったこと、体重が増えてきたこと、平日は仕事で多忙なため夫婦の時間を持ちたかったことなど、理由はいくつかありました。何かスポーツを始めようかとも考えましたが、とりあえず歩こうと、家を出たのが始まりです。
気の向くままに路地を進み、疲れたらカフェで休み、お腹が空いたら美味しそうな店を見つけて食事をする。妻の行きたい店を目指すこともあります。遠出しすぎて帰れなくなると地図アプリで最寄り駅を探し、電車で帰ってくることも。気がつけば半日以上歩くのも、珍しいことではありません。
大阪は歩き甲斐のある街です。水の都と言われるだけあって川や運河が多く、空が広く開けています。思いがけず花火大会に出くわして感激したこともありました。商店街には個性的な飲食店が多く、賑わいと勢いが感じられます。私も妻も、大阪という街がすっかり好きになりました。
通信インフラの会社から「人の英知で稼ぐ会社」に
日常的に歩いていると、街の変化に目が向きます。人気の店がなぜ繁盛しているのか、逆に閉店してしまう店には何が足りなかったのか。妻とそんな話をしていると、繁盛店はその店ならではの強みを持ちながら、時代の流れにも合わせる柔軟性を併せ持っていることに気がつきます。街には商売の原理原則を学べるヒントが転がっているのです。こうした観察が、私の現場主義の原点かもしれません。
NTT西日本は、通信インフラを提供する会社から、ICT(情報通信技術)を活用しお客様の課題解決や価値創造を担うソリューション企業への転換を進めています。私は「企業は人なり」という信念を持っており、これからは設備が稼ぐだけではなく、人の英知で稼ぐ会社にしていかなければなりません。
それには、お客様最優先の姿勢と組織の壁を越えた文化が必要です。川上の部門は川下のことを、川下の部門は川上のことを考える。最終的には全社員が、お客様にとって最適な仕事の流れをつくっていくことが重要です。一人ひとりが持つ能力や考えを活かし、自律的にチャレンジしていくことが、新たな価値創造には欠かせません。共感・協力・感謝を土台に、多様な人材がそれぞれの強みを発揮できる環境を整え、グループ全体の力を結集していきます。
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