不器用な人のほうがスイングが安定する

スポーツ万能でかつ身体能力に優れていながら、意外とゴルフを苦手にしている人がいます。他のスポーツで能力を発揮し、運動神経にそれなりに自信があるにもかかわらず、なぜかゴルフは思うように上手くならない、とストレスを抱えている人は少なくないのです。

運動神経とは、脳から筋肉に司令を伝える神経回路の総称ですが、一般的にはカラダを自分が意図したように動かす能力のことをいいます。そこから広がって、力や速さなど運動能力と同義で使われることもあります。基本的には、運動神経が良いことはあらゆるスポーツにおいて有利に働きます。ゴルフもその点では例外ではありません。敏捷性はそれほど必要ありませんが、瞬発力や持久力はゴルフにおいても必要です。何よりも、好ましいフォームを身につけるために、自分のカラダを意図したように動かす能力がとても重要になります。

また、スポーツ経験が豊富な人は、トレーニングを繰り返すことで技術を習得し、競技レベルを向上していくという経験を積んでいます。これは大人になってゴルフをするには、小さくないメリットです。

というのも、ゴルフの技術はおびただしい数の様々な“理論”があり、雑誌や書籍、インターネットにも情報は氾濫しています。独学ゴルファーたちの多くが、それらの新しいやり方を知っては試すことを繰り返し、上手くいかずに失望しているからです。

彼等は、ゴルフの上達を実現する秘密のようなものがあると思っているフシがあり、自分もそれを知れば大きな技術向上があると信じています。そして、その旺盛な知識欲で新しい“理論”をどんどん吸収するのです。ところが、その技術を習得するためのエネルギーはそれほど割かないので、身につかずに終わりがちです。これは手品のタネのようなもので、仕掛けを知ったとしても、ちゃんとできるようになるまで練習を重ねないと、手品を習得したことにはならないのです。

スポーツ経験があって運動神経の良い人は、この練習を積み重ねるという行為が身についているので、技術向上につながりやすいといえます。

では、運動神経の良い人が、必ずしもゴルフが上手いとは限らないケースがあるのはなぜでしょうか。よくあるケースを紹介しましょう。

ウェイトトレーニングなどでカラダを鍛えていた男性アスリートに多いのは、それまでの競技やトレーニングで培ってきた筋肉が、ゴルフスイングの邪魔になってしまう場合です。特に腕力に秀でている人は、ゴルフクラブを腕の力で制御しようとしがちなのですが、これはいわゆる「手打ち」という悪い打ち方になりやすく、再現性も上がらなくなるのです。

ゴルフクラブはよくしなる棒(シャフト)の先に、打面となるヘッドが付いていて、スイング中はしなったりねじれたりと複雑な動きをします。それらを制御するのに過剰な筋力は不利に働きます。

ゴルフをする人々
※写真はイメージです

その逆といえるのが非力ながら上手い女性ゴルファーです。彼女たちはゴルフクラブを腕力で制御できないので、自然と遠心力と調和した良いスイングになっています。