マネジメントで大切なことは何か。経営コンサルタントの藤井孝一さんは「私は10年以上経営した経験があるが、業績が悪化すると心がすさんで、つい社員に厳しく当たることもあった。しかし、そういうときこそ笑顔で感謝するようにしたところ、自然と業績は上向いていった」という――。
※本稿は、藤井孝一『40代がうまくいく人の戦略書』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
40代は最前線を走り続けることに熱中してはダメ
40代の10年間をどう働くかは、残りのビジネス人生の明暗を分けます。さらにいうなら、定年後の人生にも影響を及ぼすでしょう。
40代は、仕事を過去の延長線上でそれなりにできてしまうことが多くなります。なにかトラブルが起きても、いままでの経験則から大事に至る前に解決できる場面も増えるでしょう。
しかし、人は万能ではありません。衰えてくる能力は衰え、伸ばせたはずの能力も伸ばせなくなってきます。
キヤノン電子名誉会長の酒巻久氏が、こんなことをいっています。
「いまの40代は20代、30代のころとそれほど変わらずに、最前線を走り続けている人が多いのではないか。しかし、走り続けることに熱中していてはダメ。技術者なら技術の面で、営業マンなら営業力の面で、どんなに努力しようとも若い世代と勝負できなくなるときがくる」
だから、40代は自分の強みをしっかりとつくれるように働き方をシフトしなければなりません。力技でもなく小手先のテクニックでもない、自分だけの「強み」がないと40代は評価してもらえないのが現実なのです。

