時代の要請は「言葉の解像度を上げる」こと

冒頭の社長さんの悩みに戻りましょう。採用難の時代を乗り切る活路として、外国人材も積極的に採用する。とはいえ、日本語が不得手な人も多いため、外国人を雇ったら、日本人同士なら通じる曖昧なコミュニケーションが成立しなくなってしまう。そんな懸念について扱ってきたわけですが……。

そもそも、外国人材が理解できないレベルの言葉遣いで仕事をしていて、大丈夫なのでしょうか。

解像度の低い言葉による組織コミュニケーションが蔓延した結果、曖昧な指示、いい加減な報連相、雑な仕事が頻発してしまっていないでしょうか。

浅田すぐる『「わかる」から「動ける」まで 言葉の解像度を上げる』(プレジデント社)
浅田すぐる『「わかる」から「動ける」まで 言葉の解像度を上げる』(プレジデント社)

そんな状態で、組織の生産性をさらに向上し、会社を成長・発展・継続させていくことができるのでしょうか。

今後も、日本の人口は減る一方です。人材確保のためには、外国人材の活用は避けて通れません。幸いにして日本語をある程度理解できる外国人材は数多くいるようですが、とはいえ、さすがに今回紹介してきたような曖昧フレーズでは、身動きがとれなくなってしまうでしょう。

「もう、曖昧なコミュニケーションではごまかせない時代」「職場に外国人材も当然のようにいる時代」に「言葉の解像度を上げる」力は必須のスキルなのです。

「わかる」から「動ける」まで 言葉の解像度を上げる』は、この能力を誰でも身につけ、実践できるようにまとめたものです。「優先順位をつける」「視野を広げる」「お客様目線で考える」などの言葉についても、具体的に解像度を上げています。

実際に外国人材とコミュニケーションをとる際の一助として、明解な言葉で仕事を前に進めるためのガイドブックとして、ぜひ、日本中の組織で活用してもらえましたら幸いです。

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