「5分~10分遅れ」がベスト

お店のオープンも似た面があります。

開店時間を決めていても、その時間に開いてないことがあってもおかしくはありません。デパートに入っているお店なら、デパートの開店時間に合わせて開店はします。ただし、とりあえずお店は開けたけど、まだ準備をしているといったことはよくあります。倉庫から届いた荷物をこれから並べる状態のときも珍しくありません。客側としても、早く来すぎたからしょうがないか、という感覚です。

エジプトの国民食、コシャリ。米とマカロニとスパゲッティなどのパスタ、レンズ豆とひよこ豆を混ぜ合わせて、トマトソースをかけたものです。
筆者撮影
エジプトの国民食、コシャリ。米とマカロニとスパゲッティなどのパスタ、レンズ豆とひよこ豆を混ぜ合わせて、トマトソースをかけたものです。

わたしがもし待ち合わせ時間より早く着きそうになったら、待ち合わせ場所には行かず、近くの場所で別のことをしています。そして、待ち合わせ時間を過ぎてから、着いたばかりというフリをしてそこへ行きます。

時間より早くそこに行けば、相手が気にしてしまうかもしれないので、それを避けたい意味もあります。

8時待ち合わせなら、8時5分か10分くらいに行くのがエジプトのマナーとしてベストかもしれないですね。

定められた時間より早く行くと、運が悪くなるというイメージもあります。

退社時間は遅らせない

退社時間はどうかといえば、それについては規定どおりです。

朝の8時から夕方6時までが勤務時間ということなら、終業時間に合わせて6時に会社を出ます。

定時を過ぎても会社に残っていることはまずありません。約束した時間だけ働けば義務を果たすことになるという感覚が強く、そのあとは家族と過ごす時間と考えます。

エジプト人は昔から、家族や親戚しんせきをすごく大切にします。

わたしも、幼かった頃からたくさんの親戚を紹介されてきました。叔母さんの旦那さんの叔母さんみたいな感じで、この人って誰だっけ?となることもありましたが、そういう人たちとそれっきりになることはほとんどありません。

遠い親戚との関係もずっと続いて、みんなと仲良くします。

「家」で括られる小さな単位の家族だけでなく“大きな括りでの家族”を大切にする。

エジプトではそれが当たり前になっています。