ピラミッド完成がファラオの死に間に合わない
古代のピラミッドにしても、ものすごく時間がかかる建造物であり、いつ完成するかは予想しにくかったはずです。
ファラオの墓なのに、ファラオがいつ亡くなるかはわからない。
そのため、ファラオが即位すれば、それと同時にピラミッドをつくりはじめていたのではないかと考えられています。
それでも、どこかを妥協して完成させるようなことがなかったのでファラオの死に間に合わなかったケースもあったと見られています。
有名なクフ王のピラミッドにしても、ピラミッドの完成とクフ王が亡くなったのはほとんど同時になったと言われています。ピラミッドの完成がもう少し遅れていたら、クフ王のミイラは別の場所で完成を待つことになっていた可能性もあったのです。
そうしたこととも関係があるのか、ピラミッドがさかんにつくられていたのは古王国時代までのことです。最も偉大なファラオといわれる新王国時代のラムセス二世は多くの神殿やオベリスク(四角柱のモニュメント)を建てていますが、この時代になると豪勢なピラミッドは多くはつくられなくなっていました。
ラムセス二世やツタンカーメンの墓地は、ルクソールの岩窟墓群である「王家の谷」にあったのです。
集合時間より早く行くのは「マナー違反」
時間の話に戻ると、「エジプト人は約束の時間を守らない」という言い方をされることがあります。
ルーズということではなく、習慣の違いです。
日本で8時集合というと、だいたい10~15分前くらいには到着していて、8時には予定していたことを始める感じになることが多いと思います。7時半に来ている人がいてもおかしくはないのでしょう。エジプトではそういうことはしません。
8時集合であれば、8時から8時半のあいだくらいに到着するイメージです。
8時より早く行くのはむしろNG!
8時集合であれば、「8時より早くは来ないでほしい」、「8時より早く行ったら失礼になる」という感覚があります。
プライベートの約束だけでなく、会社もそんな感じで出社します。
8時始業となっていても、8時過ぎに出社する。
その後、みんなが集まって朝ごはんを食べてから仕事を始める会社も少なくありません。8時始業のはずでも実際に仕事を始めるのは10時頃になることもあります。