選挙の日付、他人の獲得票数まで

このように日時、場所、人名などが縦横にでてくる。まるで目の前に「現実」が浮かんでくるかのような話しぶりだ。話の内容が微細な事実に及べば及ぶほど、それは説得力をもっているかのように思える。田中のこのインタビューをもう少し引用してみよう。

「ところが、(注・昭和21年)1月4日に総司令部がね、『公職追放令』を発したんだ。そしたら選挙が延びちゃって、3月11日告示、4月10日か何かの投票になるんだよ。だから1月2日に行って、それっきりずっと4月まで新潟に行きっきりでした」
「そのうち選挙もおかしくなって大麻さんがいった代議士や何か全部回ったら、誰も(自分を)推すといわないんだ。有名な中村又七郎という代議士がいたが、この人だけはちゃんとやってくれた」
「そして選挙をやったら、塚田君が5万3千票で第3位だ。わしは3万4120票と覚えているが、それで次点落選したんです。次の総選挙が行われたのは22年4月25日です。新憲法下初の選挙というと、22年の選挙ということになるんですな」