要領よく働く人は何をしているか。建設会社総務経理担当役員で時間管理コンサルタントの石川和男さんは「人は食事の選択から仕事の優先順位、日常の些細な事柄まで、1日に約35000回の決断をしていると言われている。こうした決断を連続で行うと、意思決定の質やスピードが落ち、疲労感を感じるようになり次第に判断力が低下してしまう。これを防ぐためには、日常の細かい選択を減らすことが効果的だ」という――。

※本稿は、石川和男『要領がいい人が見えないところでやっている50のこと』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

アジアのビジネスマンの手
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配属先に合わせて、計画的に勉強をできるか

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建設会社に内定が決まった大学4年の秋、私は、入社するまでマナー本を読みあさりました。

挨拶の仕方、敬語の使い方、名刺の差し出し方、タクシーでの席次など、知らないことばかり。学生時代に意識していなかったことを一気呵成に学びました。社会人には必須、そして永久に必要な常識だと思ったからです。

「ご苦労様です」「さすがです」「了解しました」……

一見すると正しそうな言葉も目上の方には使ってはいけないことを本を読むことで学んでいきました。

経理部への配属が決まると、建設業簿記の勉強を始めました。初心者が独学で簿記の勉強をするのは大変でしたが、今まで知らなかったことを知ることができる。昨日の自分とは違うレベルアップした自分になれる。日々成長していく有意義な時間でした。

仮に、総務部に配属なら社会保険労務士や法律の勉強を、営業部なら営業スキルや会話術の本を読んでいたでしょう。無計画ではなく、配属先が決まったことで、その道の専門性を高めるための勉強をしたのです。

目的もなく闇雲に勉強するのは要領が悪い方法です。配属先に合わせて、計画的に勉強をしたのです。